一葉散って秋を知る 義民儀助のお仕置きを
知るや知らずや相馬藩 中村城下の正西寺
八幡発教大法師 相談役は粂泰翁
六万石の非常時に 特別任務果たさんと
身は墨染めの旅衣 幾度となく他の領へ
衆生済度説きながら 地の利と人の和によりて
楽な制圧できるとこ 奥州相馬の米どころ
住まば此処よと道しるべ 多年に及ぶ隠密に
命をかけた正西寺 発教法師のたゆまざる
志づくしの人集め 一方加賀藩各地では
近ごろふえた人さらい あの旅僧を召し捕れと
人相書きや高札に 廻る配布のものものし
それとは知るや知らざるや 相変わらずの托鉢に
長道中の行脚僧 とある宿場に差し掛かる
此処には意外御帰国の 藩老熊川大夫あり
太夫は法師に声をかけ 貴僧はすぐに帰国あれ 
儀助は加賀でお仕置きぞ 今はこれまで我が藩の
他の領からの人集め 入百姓の事終わる

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