07 読者の声
連載中に、色々と読者から声をかけていただいた。有り難く思う。読者からの声を二三紹介しておこう。
その一「母衣論争」はその後どうなったのか」というご指摘。
それもそうだ。中途半端に中断したままだ。あのあと、半谷猶清氏は「甲冑相馬」という機関紙に大反論を載せたほか、東北電旅Kのパンフレットで、緋色の母衣の正統性を主張したりしている。
俳句雑誌「みちのく」の大会が、この5月に原町市のホテル第一インで行われた折、双葉俳句連盟の会長蒔田氏や、原町市の大島鋸山氏らが運営にあたったが、影法師なる人物をつるしあげるようなことはなく、蒔田氏解釈の緋の母衣正統論を以て落着したようだ。
基本的には、藩制体制下の諸藩の軍師は藩によって異なる母衣武者が下級クラス将校であっても相馬藩の御大将の緋の母衣は、別次元のもの、ということだ。
その二は、甲冑研究会員の読者から、「それにしても御大将というポストや、それらの母衣の色は全く意味がない」「観光ポスターに使われた鎧で、合わせものを映したものがあったが、天か二相馬野馬追をPRするのに、考証的にまずいのではないか」あるいは「御出陣の時の出場者の旗印に、出場者のつとめている会社のマークを背に指しているものがあるが、コカ・コーラの旗を背負っているのと同じだ」といった指摘があった。
また鹿島町のT さんからは「宵乗り競馬の時に同じ旗差しものをさした騎馬武者が三人も写っている。これは明らかにルール違反だ」と言われた。
それで、写真を更新しいきさつもある。
鎧にまつまる呪いの話は、実に無数にあったのだが、残念なことに殆どが地元の人人の所有であり、災難や不幸が続いた家庭の話は取材できても、公開できないことを条件に聞かされているので、ここに紹介できないのがもどかしい限りだ。
その3、「野馬追の時の交通規制で客がぱったり途絶えた。刊行を標榜しているなら、客を紹介してもよさそうなもんだが、うちの商売を邪魔ばかりする」
と悲憤する旅館経営者の声。
その4、前号の当初のような
改善を求める声。「せっかく参加する子供たちがズックでは雰囲気ぶち壊し、わらじを履かせたら」という提案など。
さまざまな要素が入り乱れているが、この「野馬追祭」のテーマの多様性の特徴のようだ。原町青年会議所では、七月六日の地域シンポジウムの分科会テーマに「野馬追」を組み入れた。
ライオンズクラブでも野馬追資料館の建設と¥を提唱していた。
そんなこんなを考えあぐねていると、NHKフクシマ放送局から電話が来た。「相馬野馬追」をテーマに、NHK特集を予定しているという。
すでに、その準備を開始しているとの連絡が入った。
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