大正5年野馬追
▼ 師団長其他来原 当日大二師団長南部中将一行、宮城控訴院長清水一郎氏一行は十一日午前八時野馬追見物のため来原したり
▲ 矢来の降りみ降らずの空は出馬武者のみならず見物に来るものも気を揉ます事限りなし
▲ 先頭には軍者堀内秀之進山中精一と記したる両人轡を揃へて大手門を出づれば之れに続いて左右二騎の御使い番に鎧自慢の威武堂々たる
▲ 日の丸総大将は相馬胤眞氏にして甲冑騎馬御使い番二人左右に付き従へ
天気晴朗なりしかば騎馬の数近年に稀なる出方にて亦見物も伊達地方、宮城地方、岩手地方より続々来り中村及原の町の雑踏一時は歩行もならざる有様中村駅原町駅の如きは乗車満員にて貨物に迄乗車せしめ戦争の様な騒ぎに汽車に鈴成りの有様にて未曾有の盛況を呈したり
大正5年7月13日民友新聞
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