原町空襲1945・8・09
二上 英朗·2016年7月21日
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8月9日は、シャングリラ、ワスプ、ヨークタウンから発進。10日は、カウペンスからも加わり、県内で最も激しく攻撃された。1日間の攻撃機は計122機と報告されたが、機数が空欄の記録も複数あり、実数はさらに多い。機種は戦闘爆撃機コルセア、爆撃機ヘルダイバー、雷撃機アベンジャー、戦闘機グラマンで、投下されたのは通常爆弾、近接信管付きの破砕爆弾、ロケット弾だった。
ワスプ、カウペンスの艦載機がわずかに原町攻撃の戦闘報告書を残している。9日は、ワスプのコルセア隊13機の報告だけで、このうち9機は、飛行機を隠しておいた掩体壕や松林を爆撃。1機は約30キロ北の町を小外記した。1機はさらに二次攻撃して徹底的に機銃掃射。原町紡織にも残りのロケット弾16発を放ったと報告した。
10日に原ノ町駅を攻撃したのはカウペンスの雷撃機隊9機。飛行機は巧みに偽装され攻撃成果が確認できず、市街地の「軍事目標」を攻撃。2機が駅舎を爆撃し、2発が直撃した。また貨物列車や約5キロ北の集落も攻撃。1機は原町紡織に爆弾を投下、炎上させた。
ワスプのコルセア隊12機も掩体壕を繰り返し攻撃。1機はロケット弾2発を駅に発射。1機は機銃掃射を加え炎上させた。原町紡織にもロケット弾14発が撃ち込まれていた。
「福島空襲」2015より
F4U という略号は米軍のボート・コルセア(原町空襲で使われた艦載機は海軍所属)
原町市史の史料として収録されている米軍の実戦記録は、ワスプのコルセアの記録だけで、シャングリラとヨークタウンの艦載機の記録はない。当然、それらの艦載機にはグラマン艦上戦闘機F4FとF6Fも含まれるはずだ。
原ノ町機関区員の証言で、多くの町民の目撃証言でも「グラマン」に攻撃された、と語っているが、同じグラマン社のデザインのアベンジャーTBF雷撃機の印象を「グラマン」と答えているようだ。
原町市史に収録されている米軍記録は、アベンジャーだけなのが奇異な印象である。TBFグラマン社のカウリングが酷似しているため「グラマン」と混同するのは無理もないが、ヘルダイバーSB2C爆撃機について語っていた証人は一人もいない。