昭和10年に飯樋村に陸軍の偵察機が不時着したという記事を、飯樋村で寝たきりの生活をしているという元憲兵の老人に手紙で知らせてやりましたら、なんとそのときのことを覚えているという返事がきのう届きました。

「あの時の不時着に立ち会った憲兵が、いまも健在で原町に居ります。
かの偵察機不時着の頃は、私は小学校5年生だったのでよく覚えております。あの日の朝9時頃、飛行機のエンジンが不調音を発して、村の上空を何回も旋回しておりましたが不調音が聞こえなくなってからも何回か旋回して、落ちて来ました。すぐそこに落ちたようだったが、私の家から4キロも先きの村社大雷神社の前の田んぼの中に落ちたのであった。あと2日ほどかかって、分解してトラック何台かにつんで運んで行ったようであった。先き程の憲兵が、火の元の警戒が一番苦労したと語っておりました。」
2002.4.10.松井政男

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