オートバイと花火大会

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昭和十年夏の東京日日の夕刊特集に「夏のスリル」と題する躍動的なオートバイの写真が載っている。この年の野馬追は、花火とオートバイ競技が花を添えた。寄贈花火の製造者は鎌田煙火店、宮城県佐藤信吾氏。大玉や仕掛、早打などが織りこまれ、主催者花火は福島市の長尾銃砲火薬店が製造した。
大祭の夜は数十発、早打提灯行列、天玉、花園仕掛けに満艦飾りの大スターマイン、早打彩空吉花園、早打緑紅連星、早打競艶大会、仕掛雪月花、尺玉文化柳に電光雷後の連星などのほか大小花火が盛りだくさん。
この年の野馬追余興として原町はオートバイクラブ主催の東北オートバイ競争大会が雲雀ヶ原で開催され、レースとアトラクションで観客を楽しませた。特に目を引いたのは、木場保選手のオートバイによるジャンプ曲乗りで、五色落花アンドン抜きを演じて観客の大喝采を受けた。
祭典明けの十四日には町民納涼大会が秋葉神社境内の仮設舞台で行われ、安宅千代夫妻、但野はつ、宮下ちよ等の姐さん方や、ノドに自信のある人々が押しかけた。当夜は夜遅くまで蒸し暑く、二千の人出を見た。
明治の頃から待望された福島相馬間の鉄道は立ち消え、昭和九年に福島浪江間の省営バスが開通した。同年、川俣原町間のバス開通の要請大会が原町中野屋に集まった。
十年代の原町中村間の定期バスは上下四便ずつあり、原町中村間が四十銭、原町鹿島間が二十銭だった。路線を担当した原ノ町集合愛沢自動車部という名称が残っている。十九年に廃止。中村側トキワ、トキタの三路線があった。

 

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