神風特別攻撃隊敷島隊勇士の英霊に捧ぐ
大木惇夫
誰か言ふ、咲くが花とは、
散るをこそ花と言ふなれ、
うつし世の常ならぬ日の
うら若きますらたけをは
敷島の やまとごころの
極まりて 身を弾としぬ。
征かば また 帰るなき身の
青空のゑまひすがしさ、
清御酒ぼ 別れの杯を
飲みほすや すでに神々
わが家に帰るゆくごと
かうかうと天翔りたり。
神風は起りにしかな、
みんなみの 海の底ひに
あだのふね撃ちて沈めて
もののふの鑑となりぬ、
万世の 後の世までも
散りてこそ花としれなれ。
大木惇夫詩全集2
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