明治26年9月30日
「〇鉄道敷地売買済み 常磐鉄道布設線路の予測は過般其筋の技師出張して執行したる由は爾時本紙に掲げしが其後該路線予測に当りし地所を有人中行方郡小高村に於てハ鈴木重郎治、鈴木安五郎、門馬高長の三氏及外一名に於て鉄道会社と沿道人民との約束せる買収価格にてハ売渡さざる旨を主張し為めに今日迄右四名は同会社に呈出すべき約束書に調印を差拒み来りしも今回同村の時田忠治氏大に斡旋する処ありて終に門馬高長氏所有地内鉄道布設に当るへき田地四反歩許を時田忠治氏に於て買得し更に故障の根底を断ち而して鈴木重郎治氏他二名も異議なく約束書に調印せりここに於て始めて同地方に於て該鉄道布設に関し蟠まりたる故障氷解し村民大に喜悦し居れりと云ふ」

10月1日。
「〇鈴木重郎治氏ハ承認せず  前号の本紙に常磐鉄道敷地落着の事を記したりしが尚其後聞く所によれば四名の故障人中鈴木重郎治氏は折節不在にて親戚の人々内寄り是非に承認せしむべき筈の運びになり居りしも其後同氏帰宅の上買収の談判を為せしも氏ハ一向に承知せざる由去れハ小高村にて同鉄道布設敷地買収価格に異議を唱ふるものは只鈴木重郎治氏一人のみなりと知るべし」

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