「おひさま」と伯母の死.
by 二上 英朗 (ノート) on 2011年7月6日 10:28
「おひさま」と伯母の死
朝のテレビドラマ「おひさま」で、主人公陽子は東京大空襲で両親を失った教え子姉妹に心痛めていとおしむ場面を見た。東北沿岸の津波被害者と原発事故被災者の身の上に重なった。
南相馬の私の伯母は大正9年生まれ。家族のために製糸工場で働いて家計を支え、原町空襲の時には山沿いの親族の家に疎開したという。
今回の原発事故で最初の水素爆発の直後に同じ家に66年ぶりに一時避難したが、そこが放射線量の高いホットスポットと後に判明した。
体調を崩したが震災の混乱の中で病院への入院を断られ介護の従兄夫婦は苦悩した。息をつめて一族が見守ってきたがついに須賀川に脱出したものの2ヵ月後に息絶えた。
権力欲のはざまで心騒がせている政治家たちにも人生の終わりは来る。その時、「あの時おまえは何処にいて何をしたか」と神の前ですべてを弁明しなければならぬ。
残された私たちもまた、未来の子孫から「どんな世を残すのか」と激しく問われている。
(福島民報7月6日)
津波殉職者の献身を語り継ぐ
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