双頭の南相馬の図書館

南相馬市図書館と市民交流センターとは、別な職務管掌で文化行政と市民孫窓口の別な仕事をしている。しかし、市民にとってはおなじ行政サービスのおなじ職員だと思っている。

図書館のギャラリーは、玄関ホールだが、管轄はこれを交流広場の中庭と一体の交流センターの分掌だ。だから、一般市民にとってわかりずらい。

したがって、手近にいた職員に問い合わせるか、電話で質問を聞くことになる。また要望をもうし出る。

展示会の3日目に、交流センターの職員から電話があって、展示物に自分の祖父が出ているので、資料がほしいという観覧者からの問い合わせがあったが、展示物をはがしてコピーしてよいか、という。

原本が図書館にも蔵書であるから、そちらからコピーしたほうが良い、と教えた。

ところが、図書館に確認したら、もう廃棄して、ないのだという。面倒なので許諾した。

展示の最終日に、おなじような電話が、こんどは図書館からきた。同じ一件かと思ったら、別の話で、別の写真の解説キャプションにあった「政経東北より」とあるが、何月号か、という質問だった。

ちょうど、最終日で撤収に出向くときだったので、直接担当の職員に聞いたら、やっぱり別な観覧者が、別な要望をしたらしい。ところが、内容は、自分の祖先について詳しい雑誌記事のあることから、それがほしいということだった。

2001年5月に発行した雑誌なので、よほど探していなければ、見つからない。

こうして、ちょくせつ南相馬の公衆の目に触れる図書館ギャラリーで一般公開したから、そのような子孫との接点もできたわけだ。しかし、こちらがより詳しい情報を獲得するチャンスよりも、けっきょく、こちらからの昔の仕事の普及というサービス業務になる。

それにしても、同じ内容の問い合わせが、別の部署の、別な仕事になって、まったく別な対応になって出てくる。

交流センターの窓口職員はアラフォーの独身だという。

図書館職員は平成元年生まれというから25歳の独身。

ど ちらも、自分の仕事で手一杯で、ぼくが、老体をひずってパネルをひとりで、配置したり、撤収したりしているのを横目に、「手伝いましょうか」の言葉もな い。3年前の、最初の職員は嘱託だったが、いっしょに手伝ってくれたし、片付けも手伝ってくれた。それが、自分の仕事だと思っているらしいのが好ましかっ たが、あれ以来、こういう職員を見たことがない。

行政の現場に勤務しなくてよかった。

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