今を生きる 津島の梅酒 希望の香り
震災前年に収穫2年間熟成 瓶詰し発売

 梅林に昇る朝日と、たわわに実る梅の実をあしらったラベルの貼った梅酒「郷(ごう)」が発売された。原料には東京電力福島第一原発事故により計画的避難区域になった浪江町津島地区で震災の前年に収穫した実が使われている。地域を挙げた「梅の里づくり」に携わってきた馬場績さん(68)と三瓶宝次さん(76)は「日の目を見て良かった」と笑顔を見せた。
 720mℓ入りで、アルコール度の原酒200本、同14度を郡山うすい百貨店で販売している。
 二本松市に避難し、身障者支援をしているNPO法人コーヒータイム理事長の橋本由利子さん(39)の発案で「ふるさとなみえ」のマグネットも付けた。
(福島民報2012年9月21日)

 三瓶町議が交通量の多い国道114号線沿線の平和公園の入り口に、地域おこしを狙ってセブンイレブン津島店の出店を企画した時に、フランチャイズ本部は住民の過疎を理由に断ったものの、三瓶氏は自力で「津島茶屋」という郷土料理と蕎麦の店を開店した。歌手の橋幸夫さんが気に入って訪問したこともある。孝子夫人は、三瓶氏宅のすぐそばを飾るように見事な梅園を作って花を添えた。これも家族や地域の人々の心を和ませた名所だった。梅酒「郷」は、ふるさと愛の結晶の副産物であった。

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