DASH村との出会い

 昨年、梅雨も迫ったある日のこと、「ザ!鉄腕!DASH!」で作家の見習いをしていた私は、番組の総合演出である駒木純一氏より新企画の構想をひそかに打ち明けられました。それは「何もない広大な土地に村を作り上げる」というもの。この企画に、私は胸をときませました。
 そして、村づくりに参加したいと熱望し、DASH村での生活を誰よりも志願しました。即座に東京の部屋を引き払い、住民票をこの地に移し、「一から自分に何ができるのか」村づくりの壮大な実験が始まりました。
 忘れられた日本の原風景、先人たちはこの何もない現実の中から、どんな知恵をあみ出し、生活していく術を学んでいったのか…?
 暮らし始めてわかったことは、何もないと思うのは都会の常識で、そこには青々とした森、きれいな湧き水、肥沃な土……と、知恵と工夫を携えれば何でもあり、何でもできる環境であったということです、
 私はいま、DASH村に住み付き、壮大なる村づくりに向けて日々生活しております。
 「五月のある晴れた日」
 七時、起床。
 この日は苗の様子を見に来て下さった三瓶明雄さんに起こされる。
 八時、村内の見回り。
 まず、八木橋と北登にあいさつ。そしてカメラを持ち、DASH米の苗の生育状況を確認。さらに新たなる生物がいないか、見たことのない花が咲いていないか、くまなく見回る。
 九時、畑の雑草取り。
 畑の雑草を取る。また、麦畑にある石を取り除く。
 十一時、苗床の水管理。
 苗床の周りの溝が崩れ、水が漏れていたため修復。
 十二時、昼食。
 三瓶明雄さんが握り飯を持って来てくれた。
 十三時、古材運び。
 みんなで解体した築二〇〇年の家屋の古材を「少しづつDASH村に運び込む」
 十六時、清掃。
 家の周りを竹ぼうきで掃く.。
 八木橋の小屋もきれいにする。
 十七時。北登の散歩。
 DASH村の中を北登と散歩。写真をこの時に撮影する。
 十九時、夕食。
 漬物の作り方を教わった三瓶孝子さんのお宅にお邪魔し、ごちそうになる。
 二十一時、考え事。
 DASH村に戻り、今後のDASH村について考える。
 一時、就寝。
 八木橋と北登にあいさつして、寝る。
 一年目は荒れ地を開墾して畑にし、野菜作りに挑戦。大根、白菜などの収穫に成功した。そして今年、ぜひとも挑戦したいのは…コメ作り。自給自足の生活を目指す上で「日本の主食、お米」は、どうしてもつくりたい作物。ただし、米づくりは水の管理などが難しく、畑での野菜づくり以上に困難といわれる。
 -米づくりへの道―
 田んぼは、野菜をつくった畑の一段下につくる予定。ここなら水を集めやすいと考えられ、また、家の目の前なので目が届きやすい。DASH村では、できるだけ自分たちの手で、そして、先人の知恵を受け継いでつくるために。
  ×    ×    ×
 現在、DASH村は「DASH米づくり」に挑戦中だ。
 四月、地元の建設会社から借りたバックホーとブルドーザーで、田に水を供給するため池づくり。これはすでに放送された。
 そして五月、六月。米づくりは順調に進んでいる。六月十七日、放送したものを再構成して昼間スペシャル番組として放送された。
 放送開始から、村づくりはすでに一年経過した。農業の大変さ、夢を実現することの楽しさ、汗を流すことの大切さ、農民が有する様々な智慧、これらをあらためて再認識させたDASH村の功績は大きい。

その後の第一村人「清」さんはダッシュ村3年で村を離れた。
http://www.ntv.co.jp/dash/village/sei/omoide_04.html

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