浪江町住民意向調査
町は避難した町民すべてを対象に、アンケートを行った。三瓶宝次はさっそく、存念をしたためて提出した。そのコピーを転記しておく。
問13 国や自治体への要望、復興に対するあなたの展望やお気持ちなどを自由にお書きください。
という質問に対して、次のように答えた。
一、 被災地自体の中で、特に双葉郡内、特に復興が遅れている。
これは高線量であるため復旧復興が手遅れになっており、これはすべて国・東電の責任であり、復興の前半の遅れを取り戻し、復興を加速させて行く必要があり、国・県の支援が必要と考える。
一、 浪江町は広大な面積、多くの人口を抱えており、また三地区に分類されている。
自治体再生のためには長期的な対策と支援が必要であり、財政支援も長期的な対策が必要である。
特に、帰還困難区域以外の地域における復興拠点、生活拠点づくり、新たな街づくりが必要である。
一、帰還困難区域の再生・復興が課題であり、早急なビジョンづくり計画づくりが必要であり、特に津島地区の生活圏の再生、除染を含む環境を元に戻すことのロードマップ等をつくり、住民に示すこと。国・県・町の責任である。
それが成されなければ津島地区は完全に消滅して行くのみ。チェルノブイリが良い例である。
一、避難生活が長くなればなるほど、帰還する住民は少なくなる。早期の解除が必要である。
一、現在の東電基準の賠償では将来の生活生存の目途が立たない。帰りたくとも、ふるさとへ帰れない地域、人に対する保証が完全にできるよう、県・町は国・東電に求めるべきであり、それを実現すべき。特に期間困難区域新たな政策、新たな賠償の策定をつくるべきである。
アンケートには但し書きがあり「復興公営住宅への申し込みや入居の確約となるものではありません。あくまでも現在の考えを聞くものであり、町内に戻ることを求めるものではありません」とある。
住民意識調査は事故後2年後の平成23年からスタートし、毎年行われている。