一方、外部被曝については平成23年3月11日から7月日までの行動記録を福島県立医科大学へ提出し、この間に受けたと推定される外部被曝実効線量を推計していただきたきました。それによると「およそ29ミリシーベルト」という結果が出ました。
この数値は、胸部のX線検査1回当たり0.05ミリシーベルト、胸部のコンピュータ、CTスキャン1回当たり6.0ミリシーベルト、胃のX線精密検査1回当たりの自然放射線年間1.5ミリシーベルト、世界の平均一人当たりの自然放射線2.4ミリシーベルトですから、決して低い数値とは言えません。
東京電力福島第一原子力発電所爆発から8か月後の検査ですから、ヨウ素131(半減期8日)、ストロンチウム134(半減期2.1年)、セシウム137(半減期30年)、プルトニウム(半減期14年から約24,000年)は自然界からなくならない恐ろしさを智識として持つ必要があります。
机上での判断での区域指定
低線量で警戒区域、高線量が計画的危難区域に
前記のように、私は原発事故直後の6月17日から毎週金曜日、浪江町内に立ち入り線量調査をしてきました。その中で原発の水素爆発により、浪江町の市街地域が「警戒地域」に、山間区域が「計画的避難区域」に国が指定し。行動も厳しく制限されました。しかし線量調査の中で考えさせられたのは、原発から20km圏内が厳しく制限され「警戒区域」に、20km圏外は立ち入りがある程度緩和され「計画的避難区域」に指定されていることです。要するに、低線量区域が警戒区域に指定され、高線量区域が計画的避難区域に指定されています。これは全く机上での判断としか言いようがありません。きちっとモニタリング調査をしてから判断すべきではなかったかと思います。
現状について
脱原発と核兵器の放棄を願う
いまだに約15万人の福島県民が避難生活を強いられ、原発事故関連死も1625人に達しています。原発敷地内では、毎日のようにトラブルが発生し、放射性物質の汚染水は毎日400トンも発生し増え続け、事実上破綻している状況です。
県民意識調査では、原発再稼働・原発推進は約7割が反対で、福祉おま第一・第二原発について「廃炉にすべき」も7割強ったのに、夏の参院選では、「原発にハッキリ意思表示せず」の自民党の候補が当選しました。原発事故で甚大な被害をこうむった福島県民自身が「脱原発」の意思表示ができず、全く残念なりません。