長時間かつ長距離の移動は、利用者にとって厳しいものだった。梅の香の利用者にとっては、震災があってから8日目にしてすでに5回目の避難となる。横浜へ向かう移動中、容態が急変し、福島県二本松市と栃木県のサービスエリアでヘリや救急車により救急搬送される利用者が出た。比較的元気な人であっても床ずれ(褥瘡)になる人もいた。唯一の救いは、車中で死者が出なかったことだった。11時間後、横浜の老健施設に到着した。しかし、たどり着いた後の生活は、想像を超えるものだった。
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