第21回コスモス・カフェで蟻塚亮二医師の講演要旨 2019・3・23
メンタル・クリニックなごみ(相馬市) 心の中にも震災の影響がある。相馬双葉地方の被害をどのように見るか。
沖縄と福島と性暴力の問題もみな同じ、トラウマが関わっている。トラウマとは外傷のことですが、ここでは心理学でいうところのメンタル・トラウマ「心の傷」ということです。
死ぬような思いをした、死ぬ場面を見てしまった。津波を見てどうしようもない、自我を超越する体験に襲われた。こうしたことで、脳の深い所に刻まれる。意識の表層ではなく、意識の下にあって、自分ではどうしようもない。
河北新報の記者で飯館についての著作がある寺島英弥はこう言っている。
「故郷は人格の一部である」と。
帰宅困難地区から被災者として流浪の利何生活をしている人々にとっては、まさにその人格が傷つけられた事件だったのが、この福島で起こったことであり、沖縄で、また性犯罪で傷つけられた被害者同じなのだ。
PTSDということばは、95年の阪神大震災以後に日本で知られるようになった。
蟻塚医師は、この日本におけるPTSDの認知を普及させた。沖縄で9年働き、戦時体験で受けた戦争トラウマが60年たって起きた晩発性PTSDであると判断した。アメリカでの軍事的トラウマが半年後に現れる事象と定義されたPTSDは、単に、被害兵士に対する賠償を縮小するために政治的な対応であって、住民の四分の一が犠牲者となった沖縄での時を超越した民衆のPTSDも、相馬双葉における東日本震災と原発事故以後における複合災害のトラウマの頻繁なPTSDも、共通の事象なのだと。
メンタル・クリニックなごみ(相馬市) 心の中にも震災の影響がある。相馬双葉地方の被害をどのように見るか。
沖縄と福島と性暴力の問題もみな同じ、トラウマが関わっている。トラウマとは外傷のことですが、ここでは心理学でいうところのメンタル・トラウマ「心の傷」ということです。
死ぬような思いをした、死ぬ場面を見てしまった。津波を見てどうしようもない、自我を超越する体験に襲われた。こうしたことで、脳の深い所に刻まれる。意識の表層ではなく、意識の下にあって、自分ではどうしようもない。
河北新報の記者で飯館についての著作がある寺島英弥はこう言っている。
「故郷は人格の一部である」と。
帰宅困難地区から被災者として流浪の利何生活をしている人々にとっては、まさにその人格が傷つけられた事件だったのが、この福島で起こったことであり、沖縄で、また性犯罪で傷つけられた被害者同じなのだ。
PTSDということばは、95年の阪神大震災以後に日本で知られるようになった。
蟻塚医師は、この日本におけるPTSDの認知を普及させた。沖縄で9年働き、戦時体験で受けた戦争トラウマが60年たって起きた晩発性PTSDであると判断した。アメリカでの軍事的トラウマが半年後に現れる事象と定義されたPTSDは、単に、被害兵士に対する賠償を縮小するために政治的な対応であって、住民の四分の一が犠牲者となった沖縄での時を超越した民衆のPTSDも、相馬双葉における東日本震災と原発事故以後における複合災害のトラウマの頻繁なPTSDも、共通の事象なのだと。