産廃施設建設で相双政策問う 原町市 杉山金一(73)
 地元で大きな話題になっていることがある。住民による産業廃棄物処理施設建設反対運動である。地元の産廃ではなく、主として首都圏の産廃を処理するようだ。
 処理施設の建設は数年前、すでに県が許可しているものらしい。建設直前になって騒ぎ立てているような印象だが、それまで市長はじめ、議員、地元区長ら関係者は一様に口を閉ざしていたそうだから、分かるわけがない。そこは幼稚園、小学校に隣接した民家の多い場所である。地元住民や支援団体の話、雑誌の記事などを総合して言えるのは、県もしも手続きに問題がないと開き直っていることだ。
 産廃はいずれどこかで処分しなければならないのだろうが、そこまでお人よしに付きあわなければならない必要はない。そして、私が一番いいたいのは県当局の姿勢である。常日頃思うことだが、県は相双地区をないがしろにしている。なにか余計な物をここに押し付け、もっぱら中通り、会津、いわきの制作を行っているような気がしてならない。相双は県都に行くより仙台へ行った方がはるかに便利な事実を考えると、私は相双だけは福島県から切り離して、宮城県と合併するほうがより現実的なのではないかと常々思っている。十一月三日付。
 短い文章だが、きわめて重要な示唆を含んでいる。

 第一に「県が産廃処分場を押し付けているのではないか」という直感である。第二に「相双地方は福島県に帰属意識をもっていない」という宣言である。
 県が浜通り北部を見放しているように、住民もまた件を見限っている、ともいえる。
 宮城県民は正統政治にそっぽを向き、独自の候補を知事に押し上げた。その知事は、官僚機構の最たる警察組織をチェックするため、国以上に厳しい情報公開を求めてがんばっている。名が野や栃木で起きている政治の変化を、宮城県民はすでに先取りしていたともいえる。インターネットでは、浅野知事を支持する福島の若者のメールが飛び交った。
 確かに、産廃処分場の許認可権者は県である。問題は自治体は下請けにすぎないと、県(知事以下の役人)も市(首長以下の役人)も思って居ることだ。

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