文科省の隠ぺい工作
 SPEEDI本来の資産はごとんど使い物にならない代物だったので、その結果は公表しないが、それが原因で被爆者が出たと言われ責任を問われるのは嫌だ。しかし、これまでさまざまな仮定条件で死さんしたデータをすべて公表してパニックが起きれば、やはり批判を免れ得ない— ..
文科省は、追い込まれていたのでしょう。原子炉の水素爆発が相次ぎ、SPEEDIの死さん結果に関心が高まっていた一六日になんと、SPEEDIの運用に加え、計算結果の評価と公表などを原子力安全委員会に丸ごと押し付ける「奇襲作戦」を開始したのです。
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 一六日の午後、文科省の笹木竜三副大臣が記者会見し、「政府内の担当が整理され、SPEEDIデータの公表については原安委に移管された。これからは、原安委が(公表を)やるかやらないかを含め決定する。文科省は一切答えられない」と宣言しました。
 これにより、文科省が対応に苦慮していたSPEEDIの計算結果公表は、事故当初のものから全て、原安委に責任が移ったという言い分です。まったくとんでもない押し付けだと思います。
p129

証言 班目春樹
原子力安全委員会は何を間違えたのか? 岡本孝司

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