同情と共生 原発被災者1,200人にお会いして
Café de Fukushima 石川和宏 (要約川上直哉)
「1」始めに
福島県の被災者の現状を、まず整理します。今も、避難者が105,255人、県内に61,161人、県外に44,094人(福島県災害対策本部2015.11.2)。応急仮設住宅(以下仮設と略)に住んでいる方は、10,481戸20,185人(同2015.9.30)。亡くなった方は、直接死1604人に対し関連死が1,984人(同2015.11.2)。関連死の内、原発関連死が1,232人(東京新聞2015.3.10)震災関連死自殺は、今年すでに13人と、福島県のみ、歯止めかからない状況です(岩手県2人、宮城県1人)。「避難生活の長期化によるストレスなど原発事故の影響が浮き彫りになっている」と、「福島民友」新聞に報道されました(2015.10.12)。
以上の数字は、あの事故と津波によって人生が変わってしまい、3.11から4年半以上経った今も苦境の中にある「おひとりおひとり」の合計です。
「放射能から避難できない人が取り残され、餓死者が出ている」これは、いわき市の友人からの情報でした。いてもたってもいられず、買い集めた水や手製のおにぎりなどをミニバンに積み、原発に向かって横浜から北上しました。最初の被災者支援でした。2011年3月24日のことです。目指した広野町の避難所は、どこも再避難で空でした。アパートの庭で叫び、一軒一軒声を掛けました。私の日サ社支援の始まりです。
2015年からは、原発被災者の住む福島県の仮設住宅に絞り、イベントを通して支援を続けています。10月末までに68ケ所を訪問し、1,214人の方にお会いしました。ここで伺った話を皆さんにお伝えするのも被災者支援の大きな目的です。原発事故の影響を受けた方は日本中におられますが、住む家を追われ生業や地域社会や家族生活を失った福島の生の声を知り、「同情し共生する」ことに役立つことを願います。知らなければ同情はできないし、同情を欠いて共生ができないと思うのです。私にとって同情と共生とは、キリスト者として生きる証です。
何はともあれ、まず68ケ所、1,214人の方のお話を聞いてください。福島市・南相馬市・相馬市・二本松市・本宮市・伊達市・三春町、会津若松市で伺いました。一つ一つの言葉は、「お一人お一人」の言葉です。
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