相馬雙葉の地下からのメッセージ
十日、福島県文化センターで開催された「ふくしまの復興」と題する埋蔵文化財の発掘調査成果を展示、報告する企画を見て聞いて、浜通り地方の壮大な歴史について考えさせられた。
いわき相馬間の常磐自動車道路の開通と、相馬福島間の東北縦貫自動車の建設で、多くの縄文遺跡が次々に発掘調査されて、新しい知見知識が増し加えられている。
南相馬市には製鉄施設跡の遺跡が集中し、古代の製鉄遺跡が特徴的だ。
相馬地方は古代ヤマト政権の最前線多賀城に武器を供給し続ける東北攻略の拠点であった。
一万年の時空を超えて原発廃炉時代の未来まで至って、文明の栄光と歴史の蔭に秘められた被征服から被曝までの歴史を象徴する現場である。
全国から応援の学芸員が共同で働き「大阪市では博物館を潰す市長がいるのに、福島県は最先端の研究ができてうらやましい」などのコメントも飛び出した。
311地震津波と原発事故の復興がテーマであるが、産業経済医療教育だけでない。共同体が滅亡するかどうかの瀬戸際で、悲劇を乗り越えた研究の必要も感じた。
民友書籍広告の対比の妙にニヤリ
10日の福島民友1面下の広告の組合せが妙で可笑しかった。
右は出版界の最右翼文芸春秋の安倍総理のアベノミクス礼賛と多くの門閥から歴代宰相を輩出させてきた明治維新の原動力となった長州藩への「花燃ゆ」で吉田松陰の妹を主人公にしたNHK大河ドラマをはじめとして経済重視のトップ経営者からの礼賛の特集。
原発事故の真の終息と解決で、避難する12万人の故郷を失って放浪する福島県民らの復興復旧こそが、なによりの国家目標であるはずと思うが、いかがであろう。
左は、福島県の第一の出版社の総合雑誌「歴史春秋の広告だ。
タイトルをみると、「明治維新という間違い」と題する、日本の近代化を正義と正当化する史観に対して敢然と異論を呈した立場が明らかで、幕末の志士高杉晋作や明治の元老たち木戸孝允や伊藤博文らが吉田松陰の忠実な教えたちこそは「幕府転覆のテロリスト」だったという厳しい解釈で、会津地方を中心にわだかまる根強い長州アレルギーを背景とした長州怨敵への否定的特集である。
反原発魂に見えなくもない。
脱原発を掲げた民主党時代には綾瀬はるか主演の大河ドラマが賑わったが、原発再稼働を唱導する自民党時代になってからは、長州藩礼賛に舵を切った日本の論調と、これに抗する会津魂の反撃のようにも見えた。
線刻絵画土器が出土 八幡林遺跡 古墳時代は東北初
南相馬市教委が平成25年11月に実施した八幡林遺跡(同市鹿島区)の調査で、ヘラ状の工具を使って船を描いた古墳時代前期(4世紀ごろ)の線刻絵画土器が出土した。同市教委によると、弥生時代から古墳時代の線刻絵画土器が東北で出土するのは初めてという。17日から同市原町区の市博物館で展示している。
見つかったのは甕形土器の破片で、大きさは縦約7センチ、横約12センチ、厚さ約7ミリ。船とみられる絵画が工具で描かれている。同市教委は「今回の出土により、土器に絵画を描く文化が古墳時代前期までに東北地方にも伝わったことが実証された」としている。
展示は3月22日まで。問い合わせは同博物館 電話0244(23)6421へ。
( 2015/01/18 09:53