朝日座の保存に大きな功績残す
南相馬市の国の登録有形文化財、芝居小屋兼映画館「朝日座」の元看守布川雄幸さんが7日亡くなられた。朝日座は1923年(大正12年)に開館。地元の有力者12人による君逢経営の初代支配人は布川実、戦後組合から布川家に譲渡され、二代目義雄、3台目の雄幸と経営され、91年(平成3年)に閉館した。特に雄幸さんの手で理想的状態で映画館として保存されてきた。
朝日座を愛する市民グループと行政の協力で補助を受け、改修されてきた。調査の結果、芝居小屋時代の原型を保っていることが判明し、2014年(平成26年)に相馬双地方で第一号の近代建築として全国の登録有形文化財に認定された。
布川さんは、かつて「朝日座全記録」を共同出版した。昭和32年以降、閉館までの全ての上映映画を記録してきたメモを基にした。氏は原町市(現南相馬市)憲法を守る会の事務局長を担当し、昭和40年代に初めて原町市で全戸に「日本国憲法」の冊子を配布する事業を実現させた原動力となった。91歳。
福島民友新聞 2017年7月
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