東北初のレーザー・ショー

 昭和57年3月2日、原町朝日座と同年生れの磐城無線電信局の主塔、原町無線塔が解体工事によってついに地上から姿を消した。
前年から保存か解体かをめぐって市民の間で議論が巻き起こり、テレビ各局が入り乱れて撮影合戦を展開していた。NHK福島放送局では「原町無線塔物語」と題する番組を制作中で、最後のイベントとして東北で初めてのレーザー・ショーを朝日座と共同で企画。朝日座は、3月2日午後6時から、NHKの撮影に使われた。
昭和3年に撮影された無声映画に、かつての朝日座の専属弁士伊藤義明さんが、解説を喋った。また、現代の最先端技術を駆使したレーザー・ショーが、朝日座のスクリーンに映し出された。
最新の映像娯楽の殿堂として大正時代に誕生した朝日座で、最新式のレーザー・ビームで映像を映写するという興行は、まさにふさわしい状況であった。入場無料。
出し物が終わって、朝日座の木戸の前では、空中に2本のレーザー光線を投影して、幻の無線塔を描き出した。この日の公開録画で番組はすべての収録日程を完了。「原町無線塔物語」は3月11日午後7時半から放送された。イベント終了後は、ナイト・ショーで「の、ようなもの」を無料上映した。
この年、6月9日、「子どものころ戦争があった」「遥かなる山の呼び声」上映。県教員組合相馬支部・原町地区労の主催。

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