ロケーション天国・原町
 昭和47年10月21日の福島民報に、「国盗り物語」の原町ロケに関する記事がある。 〔NHKが正月七日から放映を始める「国盗り物語」のロケは、十九日の原町市新田川河畔から始められた。この日のロケはエキストラによる斉藤道三軍と織田信秀軍の戦いで、落ちのびる信秀軍、われ先に敗走する落ち武者、それに火急を信秀に告げるシーン、月下の行軍渡河など。 午前中は新田川の鮭川橋下流堤防一帯で行ない、午後は同橋上流の中洲付近。/合戦や敗走、渡河など騎馬武者は野馬追い出陣の中の郷騎馬会の二十騎。 しかし、雑兵役の徒兵組は、ワラジばきながらヒザまでぬらしての渡河行軍。リハーサル、本番、やりなおしの繰り返しに「昼食付きはいいけれど、二千円の日当では…」とボヤキながら、のぼりをなびかせながら新田川の流れにひたっていた。同日のスターは信秀役の千秋実一人だけ。十一時に東京から飛んでくると、すぐロケの現場にやってきてメーキャップにあたっていたが、甲ちゅう、ヨロイをつけ、大柄のクリ毛馬にまたがったものの、手綱さばきに自信がなく、係員にクツワを取られての”殿様”ぶりだった。/同ロケは二十四日まで相馬郡清水や新地町塩田跡、原町市の新田川河口、折ケ沢池一帯などで行なわれる。〕

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