野馬追祭は映画館も賑わう
 昭和27年頃からの正月や野馬追広告などには、ズラリと映画館の広告もならんでいる。浜通り相双地方のラインナップのうちの、野馬追の各館上映作品と、大映・松竹系列広告による朝日座関係の昭和27年~31年当時の上映映画は次のとおり。 〇昭和27年(1952)の上映映画 (1月15日民報浜通り版) ▽原町映画劇場「唐人街の鬼」14日まで 「別動隊」15~16日 ▽朝日座「南風」15~17日 「母人形」18~20日 (1月26日民報「各地の番組」) ▽ 朝日座「鞍馬の火祭」26~28日「紅涙草」29-31日「陽気な渡り鳥」1~3日 ▽ 原町映劇「剣舞の女難」第一部 「デコちゃんの千一夜」26日まで 「佐々木小次郎完結篇」27-28日 「密林の黄金」29~31日 「エノケンの石川五右衛門」1-2日 (2月22日民報「各地の番組」) ▽ 原町映劇「熱風の町」14-16日 「結婚行進曲」20-21日 「大荒原」22-23日 「戦うロビンフッド」24-25日  ▽ 朝日座「大江戸五人組」15-17日 「炎の肌」18-20日 「飛び出した若旦那」21-23日 (4月29日大映近日上映)「西陣の姉妹」 (5月1日松竹5月陣容)「母の願い」「銀座巴里」「腰抜け伊達騒動」「黄色いカバン」「東京騎士伝」「魔像」 (5月12日大映近日公開)「東は東」 (6月10日大映)「銭形平次捕物控 地獄の門」「滝の白糸」「白井対マリノ戦」 (6月17日松竹)「息子の青春」「娘はかく抗議する」「お景ちゃんと鞍馬先生」「父帰る」「女のいのち」「華やかな夜景」「月形半平太」  (7月22日大映・松竹)「振袖狂女」「新婚の夢」「母の山脈」「悲しき小鳩」「愛情の決闘」「お染半九郎」「郷愁(「幻なりき」より)」 (8月26日大映)「新やじきた道中」「花嫁花婿チャンバラ節」 (9月15日松竹)「お嬢さんお目出度う」「牛若丸」「彼を殺すな」「現代人」「パクさんの艶聞」「柳生の兄弟」 (10月4日大映)「美女と盗賊」 (10月18日松竹)「お茶漬けの味」「母は叫び泣く」「鳩」「武蔵と小次郎」「びっくり三銃士」「未完成結婚曲」 (10月20日大映)「二人の瞳」ひばりとマーガレット・オブライエン主演  (11月14日 第3回福島県農業共進会 11.14~18「パラマウントサーカスと縄野サーカス」原町三島神社境内 丸川興行部) (11月18日松竹)「びっくり三銃士」「あなたほんとに凄いわね」「うず潮」「花咲く我が家」「カルメン純情す」「リンゴ園の少女」 (11月23日大映)「大仏開眼」 (12月14日松竹)「明日は月曜日」「娘の晴着」「唄祭清水港」「流れの旅路」「情火」「若奥様一番勝負」「わが母に罪ありや」 (12月26日松竹)「春の鼓笛」「初夢道中ひばり姫」「学生社長」「江戸いろは祭」「奈津子の冒険」 (12月30日大映)「千羽鶴」「銭形平次捕物控からくり屋敷」「母の瞳」「彼女の特ダネ」 〇昭和28年(1953)の上映映画 (1月1日民報「各地の番組」) 朝日座「現代人」3-5日 松竹作品 監督渋谷実。主演池部良、小林トシ子、山村聡、山田五十鈴。 「稲妻」6-8日 大映作品。文芸大作。原作林芙美子。監督成瀬巳喜男。主演高峰秀子。 (2月3日大映 近日公開)「或る女」 (2月17日大映)「浅間の鴉」 (4月7日大映)「雨月物語一部二部」 (4月26日大映)「花の清水港」 (4月28日大映)「チャタレイ夫人は日本にもいた」 (6月16日大映)「獅子の座」 (7月1日松竹)「神風特攻隊の記録 雲流るる果てに」(重宗プロ) (7月15日松竹)「弁天横町」「決斗」「雪間草」「次郎吉娘」「唄祭り八百八町」「若旦那の縁談」「純潔革命」 (7月民報)7月11.12日「雲ながるる果てに」「狙われた駅馬車」 13日「白熱」「戦慄の調べ」中央映画劇場 (8月18日松竹)「旅路」「きんぴら先生とお嬢さん」「あばれ獅子」「シミ抜き人生」「悲しき瞳」「七彩の花吹雪」「美貌と罪」 (9月13日松竹)「大学生の手帳」「乙女のめざめ」「次郎長一家罷り通る」「天馬往来」「母の誕生日」「君の名は」「七彩の花吹雪」「鞍馬天狗 青面夜叉」 (9月28日大映)「雁」 (12月7日大映)「無法者」 〇昭和29年(1954)の上映映画 (4月12日大映)「山椒太夫」 (5月9日民報「原町市商工まつり」(9~12日)広告より) ▽原町映画劇場「七つの海の狼」「街は自衛する」 ▽朝日座「四人の母」「天下の副将軍」 ▽中央劇場「裸の貴婦人」「彼女は二挺拳銃」「ぬれ髪権八」 (5月5日 松竹広告)「君の名は 第3部」近日上映 原町中央劇場 中村中央劇場  このときは松竹系が原町中央劇場と中村中央で上映している。 (5月10日大映)「花の長脇差」 (民報野馬追広告)朝日座7月10-11日「おしどりの若衆」「湯の町情話」「チャップリンの警察官」12-13日「愛染かつら」「笛吹童子」 (7月11日大映)「春琴物語」 (7月26日大映広告)「浅草の夜」 (8月9日大映広告)「鉄火奉行」朝日座 (10月4日大映広告)「月よりの使者」「幽霊大名」 (12月6日大映広告)「近松物語」 (12月25日民報「各地の映画」) ▽朝日座「舞妓物語」「月よりの使者」26日まで 「蛇姫様」「少年姿三四郎大会」落花の門」27-29日 ▽原町映劇「鳴戸秘帖大会」25日 「世界を敵として」「エノケンの天国と地獄」26-28日 ▽中央劇場「波止場」「太陽のない街」25日 「ドタバタ珍勇士」「幽霊男」「君に誓いし」26-28日 (12月24日松竹新春映画広告) 「天晴れ浮世道中」「七変化狸御殿」「青銅の魔人」「あなたと共に」「白鷺三味線」「大学は出たけれど」「銀座令嬢」 (12月29日大映正月番組広告) 「蛍の光」「こういう具合にしゃしゃんせ」「伊太郎獅子」「怪猫逢魔が辻」「春の渦巻」「浪曲天狗道場」「地獄谷の花嫁」「駕籠で行くのは」「川のある下町の話」 (12月29日松竹 近日大公開)「この広い空のどこかに」「黄金の弁天」原ノ町中劇 (12月31日民報「お正月の映画番組」予告)▽原町映劇「兄貴は勇敢だった」「闘犬□の逆襲」2日まで「日本敗れず」「雪原の追跡」3-4日 ▽朝日座「火の女」「ああ洞爺丸」「蛇姫様」2日まで「母御殿」「少年ケニヤ」3-4日 ▽中央劇場「街の野獣」「潮騒」2日まで「潜航決死隊」「東寺の決闘」3-4日 ▽小高劇場「ゴジラ」「幽霊大名」1日「謎の百万両」「蛇姫様」2日 〇昭和30年の上映映画 (鈴木一夫日記による「映画鑑賞」) 1月24日「ゴジラ」(中央劇場) (1月14日大映)「麝香屋敷」 (4月11日大映)「風雪講道館」 (4月24日大映)「薔薇いくたびか」 (5月1日大映)「つばくろ笠」 (5月23日大映)「楊貴妃」 (野馬追広告) 「海の若人」「飛燕空手打ち」朝日座9-11日「息子の縁談」「つばくろ笠」12-15日 (7月25日大映)「どくろ駕籠」 (8月8日大映)「幻の馬」 (8月15日大映)「浅草の鬼」 (9月26日大映)「湯島の白梅」 (10月3日大映)「新平家物語」 (11月4日大映)「珠はくだけず」 (11月4日日活)「続警察日記」原町中央 (11月28日大映)「俺は藤吉郎」 〇昭和31年(1956)の上映映画 (1月1日大映)「傷痕街」「花の渡り鳥」 (2月10日大映)「宇宙人東京に現わる」 (4月23日大映)「花火」「裁かれる十代」 (6月13日大映 近日公開)「無法者の島」 (7月民報 野馬追広告) ▽朝日座10-11日「三つ首塔」「おしどり囃子」12-15日「火花」「鼠小僧忍び込み控」 ▽原町中央劇場12-15日「プロレス力道山東京大会」総天然色「流転 三羽烏」 ▽小高劇場10-11日「続二等兵物語」「婚約三羽鳥」「力道山の世界征服」12日「乙女心の十三夜」「あの娘が泣いてる波止場」「長脇差奉行」13日「火花」「鼠小僧忍び込み控」 ▽浪江中央劇場11-12「力道山の世界征服」「婚約三羽鳥」「続二等兵物語」13-14「裏町のお嬢さん」「ジャンケン娘」 ▽11-12「乙女心の十三夜」「あの娘が泣いてる波止場」「長脇差奉行」13-14「四人の誓い」「春の湖」 (7月11日民友 野馬追広告) ▽原町中劇9-11日「ララミーから来た男」「雑居家族」「足のある幽霊」12-15日「力道山空手チョップの嵐」「流転・婚約三羽烏」 (8月13日大映)「人間蜘蛛」 (10月30日大映)「月形半平太」 (11月27日大映)「四十八歳の抵抗」 (12月29日民報「映画案内」) ▽朝日座「月形半平太」「愛の海峡」1-2日「妖蛇の御殿」「あばれ馬」「リンゴ村から」3-5日「振袖太平記」「怒れ力道山」6-8日「一夜の百万長者」「あみ笠権八」9-11日 ▽中央劇場「相馬の唄祭り」「流れる」1-2日「涙」「忘れえぬ慕情」3-5日「サザエさん」「隣の嫁」6-8日「嵐」「京洛五人男」9-11日 ▽小高劇場「逢いぞめ笠」「殉愛」1日「隣の嫁」「ニコヨン物語」2日「日本橋」「桂春団治」3日「最後の戦闘機」「肉体の密輸」4日「夕日と拳銃」「太陽に挑戦す」5日「恐妻一代」「女優誕生」「花柳界日本舞踊初踊り(実演)」6日「女競輪王」「鉄血の魂」7日「戦略空軍命令」「お若いデス」8日「月形半平太」「鶴八□太郎」9-10日  以上は朝日座関係を中心に当時の新聞から抜き出した。昭和32年以降については布川雄幸氏編の上映記録に譲る。

Total Page Visits: 1538 - Today Page Visits: 1