映画館主の人生が芝居になった
〔十二月一日は映画の日だが、映画好きの映画館主の人生を描いた創作脚本による作品が高校演劇の芝居になり、このほど上演された。 脚本を書いたのは県立相馬高校の国語科教諭の早坂吉彦さん(42)で、モデルは朝日座館主布川雄幸さん(61)。作品のタイトルは「旭日館昨今」というもので、朝日座が舞台になっている。上演したのは相馬高校演劇部。 「夏休みに列車の中で布川さんから地方映画館を取り巻く状況を聞いた。これにヒントを得て創作作品として書き始め、その後何度か通った。映画に情熱をかける布川さんへの応援歌のつもりで作ったんです」という。 相馬市民会館でさきごろ行われた福島県総合文化祭演劇部門(高校演劇コンクール)相双予選大会では見事優秀賞に入賞。最優秀校の相馬女子高ととに県大会に進出を決めた。 「高校生たちが熱心に演技しているのを見て感心した。もともとすきで映画の道に入ったんですからこの人生に悔いはない。生まれ変わっても私は朝日座を続けていきたいと思っている。そんな私の思いを早坂先生が面白いと思ったんでしょうか映画も面白いですが、芝居もいいですねえ」と布川さん。 二十七日には福島市の文化センターで高校演劇コンクール県大会が開催され、再び上演された。〕 (昭和62年11月28日あぶくま新報) 県大会を見に行きたいので一緒に行ってくれないか、と布川氏から誘われた。夫婦同伴での外出は久しぶりだという。その運転手とビデオ撮影をおおせつかったのは言うまでもない。
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