昭和56年に、朝日座は開館60周年記念行事として文化の日を中心に10月30日から11月にかけての一周間、原町ダイエーカツミヤ4階で、「記念ポスター展」を開催した。テーマは「おかげさまで60年」。また記念誌「わたしと映画と朝日座」を発行。
ポスター枚と、舞台道具20点を展示した。
ポスターは人気の的で、中村錦之助(萬屋錦之助)主演の「紅孔雀」(27年)、「笛吹童子」(27年)さらには月形竜之介の「水戸黄門」などオールド・ファンにとって懐かしいものから「禁じられた遊び」「ベンハー」「ロミオとジュリエット」最新の「ジョーズ」まで大ヒットした洋画ポスターが所狭しと掲示されており、ひと目で映画史を見るよう。また、東映の看板女優でアクション・スター志穂美悦子を原町に招いてサイン会が行われた。
11月3日、歩行者天国でにぎわう原町駅前通りを、朝日座の60周年を記念して、相馬農業高校のブラスバンド部の協力を得て大正時代の楽隊を再現してもらい、小中学生にも宣伝の幟を持って絣の浴衣で子供役を演じてもらった。NHKの番組収録のためのイベントである。行列の先頭には伊藤義明さんが立って、呼び込み宣伝をしてもらった。古きよき大正時代の活動写真の前宣伝をこうして現代に再現したのである。NHK福島放送局では「60歳の映画館」と題して、ニュース枠で朝日座の紹介をしてもらった。この年朝日座では「連合艦隊」「スーパーマン2」「セーラー服と機関銃」、原町シネマでは「ブリキの太鼓」など上映。

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