まだ元気だった50年代の朝日座
昭和50年度の東映配給映画は60本。うち自主新作は56本。配給総収入は86億2000万円。前年の暴力団関連事件で製作にブレーキがかかってから、ざすがに一抹の退潮はまぬがれなかった。 しかし、昭和51年から52年頃にかけて、朝日座と原町の映画状況はまだまだ元気だった。この春、最後の新開座の消滅以来、映画館が1館もなくなってしまった相馬市に、再び映画館が戻ってきた。相馬映劇という館が仙台の東北劇場とチェーン化し、あらゆる系列の映画を扱った。支配人はかつての文化劇場支配人高橋厚氏。4月24日開館。120席の小劇場。まだ娯楽としての映画は健在だった。 朝日座がファン・コーナーを設置。ポスターやスチールを展示して、映画雑誌も取り揃えてくつろげるコーナーが設置された。 文化劇場も7月中旬、一週間休館して座席を一新。18日の日曜から再スタート。 (昭和51年8月5日相双新報) 同時代昭和4年に地元で制作された「川中島」という劇映画のフィルムが昭和51年4月11日に原町公民館で試写。朝日座でも6月14日に上映した。
オールナイト上映
昭和51年夏、文化劇場が「ビッグサマー特別オールナイト」興行。原町市では初めての徹夜興行。翌年も第2回を興行した。 朝日座も対抗して52年夏にサマーナイトショーを実施。「網走番外地」シリーズを上映。8月3-4日「嵐を呼ぶ知床岬」「嵐呼ぶダンプ仁義」5-6日「望郷編 吹雪の大脱走」7-8日「北海編 吹雪のはぐれ狼」
1977文化劇場と朝日座ベスト5
原町シネクラブの機関紙「砂器」第11号(1977年3月1日発行)では、原町文化劇場と朝日座のベスト5という企画を載せている。 (宮本寿重)文化劇場①あにいもうと ②マイ・ウエイ ③激走!5000キロ ④さらば夏の光 ⑤挽歌 (佐藤照夫)朝日座①カッコーの巣の上で ②追想 ③ジョーズ ④ベンジー ⑤トラック野郎 望郷一番星 (田村完)文化劇場①激走!5000キロ ②ダーティーハリー ③燃えよドラゴン ④地上最強のカラテ 朝日座①河内のオッサンの唄②トラック野郎シリーズ ③小さな恋のメロディー ④猛虎激突 ⑤女必殺五段拳 (森本純)文化劇場①八月の濡れた砂②祭りの準備③狼たちの挽歌④斬り込み⑤どですかでん 朝日座①アメリカングラフィティ②ロンゲスト・ヤード③ル・ジタン④カッコーの巣の上で⑤愛の嵐 次点スティング (匿名希望=これ布川氏のこと)朝日座①ジョーズ ②カッコーの巣の上で ③レニー・ブルース ④ル・ジタン ⑤サンシャイン (匿名希望=これ、私)朝日座①ジョーズ ②カッコーの巣の上で ③レニー・ブルース ④O嬢の物語⑤徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑 文化劇場①私が・棄てた・女 ②続・人間革命 ③バージン・ブルース ④狼たちの午後 ⑤ダーティーハリー3 朝日座のベスト3まで布川氏との好みが酷似していて驚いた。
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