「ガダルカナル」で映画自粛
戦局の悪化にともない、昭和18年8月、ガダルカナルでの戦死者が発表になるや、県保安課では映画興行もの自粛を促し、花柳界の鳴り物を禁じた。
相馬農蚕学校では、18年12月の卒業アルバムに、映画部の写真を載せ、「ハワイ・マレー沖海戦」映写会の様子を記録している。
「ハワイ・マレー沖海戦」(東宝映画砧作品。脚色演出・山本嘉次郎。脚色山崎謙太。撮影三村明、三浦光雄、鈴木博、平野好美。特殊技術円谷英二。主演大河内伝次郎、藤田進、黒田弥太郎、真木順、清川荘司、原節子、英百合子。昭和17年12月3日、紅組)
相馬地方で「海軍」上映
昭和19年2月19日民報によると、相馬郡で「海軍」が巡回上映された。
〔中村町実業壮年団の戦意高揚映画会は二十四、二十五の両日午前十時、午後二時、同七時の三回「海軍」其他を上映、昼間男女中学校及び国民学校、夜間は一般に無料で開催、同郡下開催日割を二十日福田、二十一日新地、二十二日駒ヶ峰、二十三日大野、二十四日、二十五日中村、二十五日鹿島〕
「海軍」は、松竹大船作品。大本営海軍報道部企画。原作岩田豊雄。脚色沢村勉。演出田坂具隆。撮影伊佐坂三郎。主演山内明、小杉勇、風見章子。ハワイ攻撃に参加した海軍特別攻撃隊の生い立ちを描く。(昭和18年12月22日、紅組)発達史。
小高町の映画常会
郡山市史には、同市に翼賛文化協会が設立されて昭和16年から20年まで、映画上映を継続していた記録があるが、昭和20年の新聞にも、小高町に映画常会という組織が設置されて、町民に映画娯楽を提供したことを報じている。主催は翼賛団体。提唱者・指導者は半谷猶清氏。
「原町紡織記念祭」
昭和19年5月22日民報。「原町紡織記念祭」
〔相馬郡原町紡織工場では二十一日午前十時創立記念祭を行った後大阪吉本興行の一流芸能家を招き同町旭座で工場及び家族慰安会を昼夜開催浪花節、漫才、舞踊、物真似歌謡曲に笑ひの一時を与へた〕