野馬原からラジオ実況

 昭和11年7月、「侍日本を今に見る 騎馬武者御神籏争奪戦 この豪華雲雀ヶ原から世界に放送 観客十万の相馬野馬追」と13日民友は報じている。
〔この日仙台放送局ではマイクを通じこの豪華絵巻を世界の隅々まで放送すべく審判所付近にマイクを据付け本陣山から見下した戦ひの実況をまた他のマイクは雲雀ヶ原の真只中騎馬武者の中を移動して馳駆縦横する〕
しかり。七月の野馬追祭では初めて雲雀ヶ原からラジオ実況中継が行われた。民報は、14日
〔この実現は多年待望してゐた原町の希望の酬いられラジオにより時々刻々世界に向かって放送された
放送所は雲雀ヶ原の騎馬の集合地点近くに一ヶ所と更に本陣山の軍者陣屋前に一ヶ所を設置し午後二時十分より同五十分まで四十分間に亘り野馬追の起原沿革説明した後いよいよ東西両放送所より互に放送した〕
と報じた。佐藤政蔵の子宇多道夫が仙台放送局に勤務していたため、この企画は実現した。

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