衆楽園にずらり並んだ見世物小屋
昭和8年7月の新聞に〔衆楽園の興行街 軽業や見世物小屋で賑はん〕との報道がある。
野馬追を当てこみ原町座、旭座の両館では旭座が松竹「栄冠涙あり」、日活「上州七人荒し」を上映した。
「栄冠涙あり」不二映画作品。原作久米正雄。脚色川口松太郎。監督鈴木重吉。撮影三浦光雄。出演鈴木伝明、月田一郎、英百合子。(昭和6年12月31日、武蔵野館)
学生生活の中に展開されるスポーツ精神と、青春の哀愁を扱い、若若しい活気の漲る快作となったが、9月以来高級スターを抱えて、4ヶ月に1本の映画しかできず、不二映画の財政難が早くも伝えられ倒産。(日本映画発達史)
この当時、さまざまな団体の活動資金集めのため、寄付を目的とした映画上映会がひんぱんに行われた。
昭和8年2月7日民友〔映画会 相馬農蚕学校では建国祭参加費用捻出のため五日午後六時より鹿島町鹿島座に於て映画会を開催したが盛会であった〕
原町短波
〔本町三丁目の青年たちで組織する原町青年団第五分団では十月五日(土曜)六日(日曜)の二日間原町座において「映画の夕」を開催して活動写真「柳生又十郎」及び「天下の副将軍」を映写するさうである木戸銭十銭。基本金造成の目的であるからなるべく援助して戴きたい–と団幹部の一人はしてゐ
(昭和10年9月28日・福島民報)
県立相馬農蚕学校校友会は設備資金の造成をかね農家慰安のため8月1日から一周間映画会を開催。1日大甕、2日石神、3日上真野、4日新山、5日原町、6日八木沢、7日原釜。「親を呼ぶ鳥」「権八二重想」「豪傑花嫁」など新興キネマの作品を上映。
(昭和11年8月3日・福島民報)
〔銃器購入のため映画会 相馬郡原町青年学級ではこのほど教練用銃器を購入したが朝日座で資金造成の映画会を開催〕
(昭和11年12月17日 東京日日)