原町セブンスデイ・アドベンチスト教会

 この20年来、原町に参入した新教会。最初は浪江町で文書伝道から始まった。浪江町で礼拝が行われてきたが、教会を建設するため相双地方内に土地を探しているときに原町市牛越の藤本牧師の紹介で藤本宅の隣接地を求めたのがきっかけで原町に教会が建設された。信者は大野、浪江、原町など相馬双葉地方一円から集う。月に一度仙台から牧師が派遣されて礼拝を行っているほかは毎週土曜日にビデオによる礼拝を行っている。

セブンスデイ・アドベンチストとは

 19世紀半ば、北アメリカのウィリアム・ミラーのキリスト再臨運動の中から生まれた教会。ミラーは聖書研究により世界の終末を予言、それに影響されたセクトから教会の源流が生まれ、牧師ジェームズ・ホワイトとその妻エレン・ハーモンによって現在の基本が整えられた。キリスト再臨の教理を重んじ、伝統的なキリスト教とは異なる第7日目(土曜日)の安息日礼拝を守るところに特徴がある。また聖書の教えに反するものとして進化論にも反対を表明する。アメリカのワシントンに世界本部を置き、全世界に800万の信者を擁する。信徒は浸礼によるバプテスマ(洗礼)を受け、酒タバコが禁止され、菜食主義や健康食品の摂取が励行される。この教団の特徴としては、礼拝に洗足式をも行う。
 教団の概要をパンフレットから次に引用する。

セプンスデー・アトペンテスト教会の沿革
 セブンスデー・アドベンチスト教会(以下SDAと略す)は、聖書主義に立つプロテスタントのキリスト教会です。
 「セブンスデー」とは、「第7日」の意味ですが、これは週の第7日である聖書の安息日を聖日として守る教会であることを表しています。また「アドベンテスト」とは、聖書の重要な教えである、キリストの再臨(アドベント)を待望する人びとの意味です。
 そのほかにも、SDA教会を特徴づけるいくっかの重要な教えがありますが、(詳しくは巻末の「SDAは何を信じているか」参照)多くの点において、プロテスタント諸教会の教えと共通しています。特に宗教改革以来、プロテスタントの教えの中心となっている、聖書を信仰と実践の規準とする立場や、人が救われるのは信仰のみによるという主張は、SDA教会の最も基本となる教えです。
 「セブンスデー・アドベンテスト教会」という名称が採用され、米国で宗教団体として正式に組織されたのは、1863年のことでした。SDA教会は、1830~40年代にアメリカで起ったウイリアム・ミラーを中心とする再臨運動に源を発しています。当初わずか数十人の集まりでしかなかったSDA教会のその後の成長、発展は目覚ましいものがあり、現在信徒数は400万人、全世界184か属中179の国々で活動しています。これは世界の国々の97%に相当し、その意味では、SDAは世界で最も広く活動している教会です。
 キリストの福音を伝える働きのほかに、SDAは、未開発地や開発途上国など、世界各地で行っているアドベンテストの医師、看護婦等による医療活動によっても人々によく知られています。そのほかSDAは、世界各地にある30を超える健康食品工場、50近くある出版社や、プロテスタントの中で最大の規模をもつ各地の教育事業など多方面の働きを通して、人々の心と体の健康に奉仕しています。
 SDAはその組織を、世界を14の支部に分けていますが、総本部はアメリカの首都ワシントンD.C.に置かれています。日本、韓国、フィリピン、インドネシア等の国々は極東支部に属していますが、その本部はシンガポールにあります。
 日本における正式な活動は、1896年カリフォルニア州ヒルズバーグ大学の学長を辞し、来日したW・C・グレンジャー教授によって開始されました。日本のSDA教会は現在、北海道から沖縄まで約100の教会と1万人余の信徒を有し、教会活動とあわせて、教育、医療、出版、ラジオ、テレビ放送、健康食品製造、福祉などの諸事業を活発に行っています。SDA教会は、聖書に従い、神と人を愛することの重要性を教え、またその事を、人々の必要に応える様々な活動を通して実践しようとしている教会です。(同教団の要覧より)

土曜日に礼拝する一派である。大熊町の大野病院の看護師や、原町市内の医師などのメンバーだった。
浪江の写真業者の信者が、原町の信者とともに原町市内に会堂を建設しようと探しているうち、牛越地区の原町キリスト教団原町教会の元牧師の自宅隣地に土地を求め、会堂を建てた。
SDA原町教会には一時期、1984年ころには伝道師夫妻が定住していた。

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