比島の特攻隊といいますと、戦闘惨烈の極限下にあって、その状況は悲愴感がただよっているように思いますが、万世基地では終戦時まで戦いに心身ともに疲れきったという感じではありませんでした。隊員たちも沖縄失陥後、米軍の侵攻してくるであろう戦場でいつでも死ねるという覚悟で平静そのものでした。飛行機も員数だけはありました。各振武隊でとりのこされた人達が全員で十数人おりました。これらの人たちは最先任の私によく従い、士気旺盛で軍紀は確立していました。自暴自棄の者や厭戦気分的なものは見当たりませんでした。(韓国出身者が2名おりましたが立派な人たちでした)

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