小川彰
大正13年1月21日徳島県生まれ 陸士57期
昭和20年5月28日戦死 沖縄本島敵艦船に突入
5月12日付最後の手紙
先便でいろいろお頼み致しましたが総て不要急に決戦場ニ駆けつける事となりました。不肖ながら自分で錬成した部隊を引き連れて参ずるのですから必沈の自信は十分 花は桜キ男は散り際、最期の御奉公萬遺憾無きを期して参ります。花のつぼみの二十で散るも何の国の為め未練はありません。
何れ転進先も判明せば詳しき御手紙差上げますが、遥か故郷を拝みつつ九州の地に飛び行く事と存じます。皆様の御健康の程御祈り致します。
五月十二日
彰
御両親様
小川彰は、柳家旅館に住む廣井一家の鈴子の想い人で、血書の鉢巻きを小川に贈った。鈴子は、終戦の日に、柳家の日本庭園の石橋の上でくづおれて泣き伏したと弟の学が語っている。戦後の昭和24年に、結核のため24歳で、小川の跡を追うように亡くなった。
血書の鉢巻きは、徳島県の実家に形見として残されている。
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