中野九州男 陸士56期 熊本県人吉市出身 大正10.10.15.生まれ。
陸士56期卒業後、鉾田飛行学校原町分教場にて訓練開始。北部第144部隊飛行第67戦隊所属。
父宛
私は十月以来双発軽爆より襲撃の方に転科致し分教所の原ノ町に居ます。当地は鉾田に比べて風光人心ともに良好にして住み心地よく度々小学生等の慰問がある程です。また仙台にも近く松島見物も出来ます。付近には山があり一日がかりの栗拾ひ或は山に露営して十五夜を見松茸狩りをしたり或は小学校の運動会の招待にあづかったり婦人会の慰問があったり内地の秋を愉快に過ごし居ります。卒業は十一月終の予定でしたが、来年の一月頃になると聞いて居りますが未だ判明致しません。
歳末休暇二三日戴けたならば原ノ町に遊びに行かうかとも思って居ます。原ノ町は実に忘れ難い町でした。今でも国民学校の生徒から慰問文が来ます。任地に向かって駅を発する時などは凄い歓送でした。略
十二月八日 九州男拝
御父上様
敬具
中野九州男p144
原ノ町は実に忘れがたい町でした。いまでも国民学校の生徒から慰問文がきます。任地に向って駅を出発するときなどはすごい歓送でした。
昭和19年1月24日朝、原町から7機が出撃した。岩手県久慈町沖北東約20km海上で潜水艦攻撃の途次、午前10時頃、空中接触で殉職した。
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