飛行第65戦隊史
整備員の奮闘
戦隊の整備員は、寒くて整備環境になかった原ノ町で、しかも少人数で非常な辛苦に耐えつつ、その任務を全うし、また天号作戦開始以降は連日の空襲にも拘らず、それこそ昼夜を分かたぬ不断の努力と操縦者を戦い易くするために尽くした創意工夫により、戦隊の戦闘遂行に貢献した功績は実に特筆大書すべきものであった。さきに増槽改修により、航続力増大に尽力したが、今度は、一式戦の操縦席上部に明るい電球を取付けて夜間の空中集合をやりやすくしてくれた。
また電波妨害片投下装置も考案し全機に取付けた。これは操縦者が座席内で索を引けば風圧で落下するというもので、敵のレーダーを偽騙するのに大変効果があった。たまたま知覧に来ていた立川航空廠の技術者も、小型機に最適だと言って図面化して持ち帰ったほどであった。また振武隊の整備にも長期にわたって協力し感謝された。

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