中島 甲式四型(ニューポール29C-1)戦闘機 日本陸軍
原町の雲雀が原に大正11年1月にデビュー。当時世界の最新鋭機だった。

中島飛行機製作所がライセンス生産した、大正後期から昭和初期にかけての、日本陸軍の主力戦闘機。本機の後継機が国内開発となった中島:九一式戦闘機。第一次大戦で航空兵力で立ち遅れを痛感した日本陸軍は、大正8年当時、世界の航空界をリードしていたフランスからジャック・フォール大佐以下の航空教育団を招請して制度や戦術・機材を研究していたが、大正11年、本格的に編成される戦闘機隊の主力戦闘機として、当時、軽快な運動性と高速性能で世界的に注目されていたフランス空軍の新鋭戦闘機ニューポール29C-1の採用を決定した。甲式4型とはというのはニューポール29C-1に対する日本陸軍の制式名称で、甲式はニューポール社を意味し、四型とは同社の他の機材が既に3機陸軍に採用されていたことを示している。ちなみに乙式はサルムソン社、丙式はスパッド社である。中島飛行機(株)を創業した中島知久は、予てからフランスの航空技術に注目していたが、パリに派遣していた弟未平を通じて製造ライセンスを取得し、昭和7年までにノックダウン29機を含む608機を生産した。この機体は主翼は木製骨格に羽布張りだが、動態は芯型に薄くスライスした木板を交互に巻きつけて貼り合わせながら曲面を作る、今日の炭素繊維複合材構造のはしりともいえる木製モノコック構造だった。この方式から生れた平滑な表面をもった流麗な形状の動態と主脚の付根に取付けられた空気抵抗の小さいルンブラン式冷却器が、その高性能に大きく寄与している。
全長:9.70m 全長:6.44m 翼面積:26.88m2 総重量1,160kg 発動機:三菱イスパノスイザV8 300馬力、最大速度:232km/h/2,000m、上昇時間:2000m/5’30”、武装:機銃7.7mm×2、乗員:1名、初飛行:1918年

ニューポール戦闘機を描いた映画

 

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