広森達郎 手紙

双葉郡浪江町大聖寺、青田教子様宛

 私の居る処の附近に部落があって、国民学校があり生徒五〇名位居ります。先日遊びに行っきましたら、教子さんくらいの女の子が上手にスケートをやり、体を鍛錬して居りました。教子さんもうんと運動して丈夫な體となり姉さんの後に続いて沢山な飛行機を作って下さい。大航空の歌なかなか勇ましそうですね。然し教子さんの声が聞こえないので残念です。一度西の方に向って大きく歌ってみてください。耳を澄まして聞いて居ります。
何処迄行っても忘れられない歌は、次の歌です。
一、兎追いしかの川   小鮒釣りしかの川
  夢は今もねぐりて  忘れがたき故郷
ニ、如何に在はす父母  つつがなきやともがき
  雨に風につけても  思いいづる故郷
      さやうなら   
      一五日       広森
教子サン