昭和十五年八月十七日、開場したばかりの原町飛行場で練習中の事故が起きた。緑川一良(いわき出身・八十二期下士官操縦学生)が、上空から転落し殉職したのだ。
 原町分隊の憲兵濁沼は「原町飛行場で十月中旬に」と記憶する。練習機の教官はシートベルトを締めたものの、学生が締め忘れて搭乗したため、原町下渋佐と大甕村境界の上空で、気圧ポケットに入って谷地に落下し死亡した。学校から通報があり、柴田班長以下三名が自転車で現場に急行。検証したが、飛行機は海岸近くの浅瀬に不時着していた。教官は軽症で無事だった。原町と大甕の消防団員により死亡した搭乗員の遺体は学校に収容された。機体は引き揚げて解体し、学校に搬送した。これが、原町憲兵分隊が扱う最初の事件となった。

陸軍95式練習機
https://www.youtube.com/watch?v=8BZZEeFVfgo

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