福島八景 8つの情趣をテーマにした福島の名勝・季節・時間・情景
 明治36年(1904)大森村常栄寺(現・廃寺)の新城一が選定。123の三首ほか遺失。所在不明に。のち木口昇が研究、復元。
岩窟晴嵐 信夫山岩谷観音
もしすりのむかしのあとをしのふねのはれわたりたるいろにみるかな 1
 大内青巒(おおうちせいばん)仏教学者・東洋大学学長
逢隈帰帆 渡利佛眼寺
夕日かげかたほにうけてあぶ隈のかはかみとほくかえる釣舟 2
 下田歌子 教育者・学習院を開設
黒岩夜雨 
むかし忍ぶ色する里の民草もなべてうるほう夜半の春雨
 大鳥圭介 旧幕府軍官・五稜郭で降伏し明治政府官僚に
信夫橋夕照
吾妻嶺はさやかに晴れて信夫橋夕日かげこそ照りわたりけれ
 千家尊福たかとみ 出雲大社大宮司・参議・東京都知事
松川落雁
吾妻山峰の月かげ傾きて松川の瀬に落ちる雁(かりがね)
 東久世通禧みちとみ 長州に退去した七卿の一人・伯爵
薬王寺晩鐘
夕さればむかししのぶの摺り衣きくも露けき山寺の鐘
 堀尾貫務 増上寺大僧正
紅葉山秋月 紅葉山公園
山の名のもみじを見えて阿武隈の川瀬をてらす月のさやけき
 板倉勝達かつさと 十二代・最期の福島藩主
八千代山暮雪
玉椿八千代の山のしら雪はゆう日のかげに光そふらむ 3
 源通久みちひさ 公爵

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