隈川沈木
最勝院四天王院に逢隈川かきき(た)る所 藤原家隆朝臣
新古今雑(上)
君が代にあふくま河のう(む)れも木も氷の下に張るを待けり
夫木集隈部(雑部三)
ふかき秋逢熊川原(は)しくれると色こそ見えね瀬々の埋木
ゐなかに侍る頃つかさめし(司召)を思ひやりて
後拾遺旅(雑二) 源重之
春梅に忘られにけるうもれ木は花の都を思ひこそやれ

信夫山
新勅撰集恋歌五)
伊勢物語第十五
(みちのくにまかりて女につかはしけwる)業原朝臣
しのふ山忍びて通ふ道もなし(がな)人の心の奥も見るべく
千載集夏 (仁和寺)二品法親王守親
子規なほ初声をしのぶ山夕ゐる雲の底に啼くなり
同恋二
君恋ふる涙しくれて降ぬれば忍の山も色つきにけり
同 二条院前常陸
いかにせん信夫の山の下紅葉しくるる儘に色の勝るを
新古今冬 七条院大納言
初時雨しのふの山の紅葉を(は脱)嵐吹けとは染すや有けむ
同 第二 清輔朝臣
人しれす苦しきものは忍山下はふ葛の恨みなりけり
同 忍恋 雅経
消ねたき忍ぶのやまの峯の雲かかる心の跡のなき万天(まて)
(新古今恋二)千五百番歌合に 道光
限りあれは忍ふの山の麓にも落ち葉の上の露そ色つく
新勅撰同二(恋一) 入道摂政左大臣
道絶て我身に深きしのふ山露も時雨も色に見せしと
後拾遺恋一  高篠(高階)家成
いはてのみ忍ふの山にゐる雲や心の奥を猶阻つらむ
同雑上(新千載)  (源頼遠)
誰に猶しのふの山の子規心の奥のこと語たるらむ
新拾遺恋一 土御門院小宰相
渡すへき隙こそなけれしのふ山忍ひて通ふ谷の下水
同 兼好法師
忍ふ山又事から(た)に道もがなふりぬる跡に人もこそしれ
同 権大納言宣明(皇太后宮俊成女)
人しれぬ(す)思ひ忍ふの山風に時そと母(も)なき露こそほるる

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