●天野秀延のプライベート・フィルム
「昭和11年の浪江町少年海水浴映画と17年の福浦村農村の記録」
相馬郡福良村(現小高町)の富農地主天野秀延はイタリア音楽研究家として有名。パテーベビーのカメラ、映写機を所有していた。裕福な家庭に生まれた天野は高級な趣味として個人映画を撮影していたが、昭和11年ごろ、福浦の海岸に遊びに来ていた浪江町の少年達が海水浴している姿を撮影し、浪江座で公開している。
のちに福浦村長に迎えられ、村の農業を改革する運動を展開し、その記録を残した。昭和17年ごろの村づくりのために農作業の様子を撮影したフィルムが平成7年、NHK仙台放送局の特別番組「東北の民衆と戦争」で紹介された。
●古関裕而のパテーベビー
この時代、作曲家古関裕而もまたパテーベビーを愛用する一人だった。彼の自叙伝「鐘よ 鳴り響け」には、昭和12年頃のこととして「当時私はフランスのパテー社の九ミリ半のフィルムを使うホーム・ムービーを撮っていた。その頃はパテーベビーといって大いに愛用していた。16ミリの撮影面積と大差がなく、私のご自慢の一つであった」と回想している。
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