川俣座で暮らした松方弘樹さん
存在感ある俳優だった松方弘樹さんが74歳で亡くなられた。
かつて松方さんが戦後の食糧難時代に川俣の老舗芝居小屋川俣座に地方巡業で、父親の人気チャンバラ役者近衛十四郎さんに連れられて、しばらく楽屋で暮らしていた逸話をブログに書いた。
私は結婚して数年暮らした川俣町で、歴史好きな古老から多くの有名人の来訪を聞いたり川俣座の経営者斎藤淑子さん夫妻から教えられた。先代社長の手配で、町内本妻宅のN食堂で幼い松方弘樹が預けられて遊んでいたエピソードである。斎藤家のノートには、庶民的な大都映画の近衛十四郎の時代劇プログラムがずらりと記してあった。
ユニークな著名人の意外なルーツ探しで面白いNHKのファミリー・ヒストリーの番組スタッフから昨秋に問い合わせが来た。病気が快復したら放送するする予定が、追悼放送になってしまったが「戦後の混乱期に地方巡業は、仕事がなくても食糧だけは確保できて有り難かったんですよ」と語っていた斎藤夫妻も311以後の心労で亡くなられた。
松方さんも亡くなったが、映画と記憶は永遠だ。
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