「原町市史」にみる近代津波
南相馬市の「原町市史」近代・資料編にみる近代津波
南相馬市が継続的に発行している「原町市史」の最新刊「近代」資料編が出た。とりわけ自然災害の章で、明治38年、大正2年、昭和9年の冷害と霜害、洪水などに加えて、昭和13年の津波についても収録されている。これらが、それぞれ北海道、ブラジル、満州開拓団の移住とぴったり符合して戦慄する。
3年前に「もう一つの相馬移民」と題して、海外日系移住百周年の記念誌を出版したが、驚いたことに浪江町を含む双葉郡と南相馬市は北南米への海外移住では人口当たり日本一多いことも判明。
3.11以来、千年前の貞観の津波、四百年前の慶長津波に脚光が浴び、同規模の被害が出ている資料も出てきたが、加えて近代でも、台風高潮、津波洪水が、明治25年創刊以来の福島民報に頻繁に出る記事も精査して掲載された。
犠牲者の冥福を祈りつつ、歴史を記録する営為と後世に伝達する大切さが、昔懐かしさだけでなく、現代と未来を生きる必須条件であることを証明した。
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