覚醒剤事件と刑務所クリスマス 2009.12.22
覚醒剤事件と刑務所クリスマス
酒井法子や押尾学ら芸能人の覚醒剤事件で社会的に反響が大きかった一年だったが、東北唯一の女子収容所の福島刑務支所女子受刑者五百人のうち最多四割が覚醒剤事犯だ。酒井法子だけでなく、刑務所は普通の女性ばかりだ。今月二日の所内クリスマスには二八〇人が参加した。
福島刑務所の男性受刑者は一二〇〇人が収容され、十六日にクリスマス燭火礼拝を行い、市内三教会の信徒にまじって私も参加した。人間に完全な者はいないが、看守長が男性受刑者にわいせつ行為で逮捕されるという事件が明るみに出て世を驚かせた。ずらりと並んだ二二〇人の受刑者の中には黒人もいた。刑務所は社会の縮図だ。
福島刑務所に死刑囚はいないが累犯者を収容し、出所しても経済的理由もあって、簡単に再犯して舞い戻る者が多いという。これは社会的損失だ。
教戒師は「あなたがたは悪いことをしてここにいる。社会にいてほしくないと思われてここに隔離されている。自分の罪を自覚して欲しい。自分は愛されていない存在で、人生のどん底にいて生きる価値がないと思う人もあるだろう。しかし神様はみなさんを見捨てない。イエス様はどん底の人を救うために馬小屋というドン底の人生に生まれた。ここにはケーキもツリーもないが、クリスマスはみなさんのためにある」と説教すると、一人の青年受刑者が眼鏡をはずして涙をぬぐっていた。
たった一人でもいいから、悔い改めて社会に復帰して欲しいと思った。
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