「常磐線と磐城無線局富岡受信所・原町送信所」シンポジウム


朝日座にて「常磐線と磐城無線局富岡受信所・原町送信所」

二上 英朗 30分ずつ、講師6人もならべてそれぞれの専門分野の話をさせたあと、最後のパネルデスカッションに移ったが、統一テーマは最初からないので、議論にはならない。伊藤教授から、話に出てきた史実や概念を確認するような質問のようなつぶやきが出て、学芸員が説明を補足しようと試みるが、思い余って私が説明した。
「原町が広大な土地を無償で二万坪を政府に提供したから」ですよ、と。
これでは聴衆は何を聞き、何が問題になっているのか、何を深めようとパネラーが集まったのかも全くわからない。ゲンロン・トークショーで知り合った一人の聴衆が、「いろいろたくさんの人が喋ったが、みな30分という中途半端。しかもそれでデスカッションするほどの絡みもない。一番このイベントの本質を看破したのは、置いてきぼりにされた聴衆だった。「もりだくさんすぎて、けっきょく何がいいたいの?」

今回の主賓の伊藤孝氏と、金出ミチル氏に、「このコンクリート産業遺物を見せたい」という希望だけでツアーを組んだ。
そこだけ切り取ったら、伝わったが、シンポジウムでは聴衆がおいてけぼりだから、これは司会の不案内。
25日のシンポジウムも現地ツアーも面白かったが、来てくれた聴衆に「鉄道常磐線」と、「磐城国際無線局」の関係など説明もされずに、困惑されただろう。

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岡田 雅代 80年代初頭まであったコンクリート製の原町の無線塔があまりに存在感がありすぎて、本来富岡の受信所と原町の副柱と一体となった巨大な傘のような送信アンテナと施設など、磐城無線電信局が広域で壮大な装置であったことを改めて共有したり、今後の課題について一つでも二つでも見えてくればよいかと思います。

そもそもこのような場を設けたのも、まして富岡から南相馬まで現地視察するのも初めて。

会場の方々が朝日座ロビーでそれぞれの想いを語り合っていただけたのが最大の収穫でした。

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