東京バッハを南相馬で聴く
東京バッハ合唱団を迎えて地元から賛助出演した音楽ファンたちとゆめハットで共演が実現した。
主宰者で指揮者の大村さんは、バッハを日本語で歌い聞いてもらうことに精力的に一生を賭けて全訳をめざして来た楽界の第一人者だ。311がなければ、出会わなかった東京バッハ合唱団と南相馬の音楽愛好家たちのコラボレーション演奏を「想定外の奇跡」という。
大村女史と交流のある橋渡し役の原町の詩人若松丈太郎氏も歓迎にかけつけた。詩人は「主よ、主よ」という宗教的な表現に拒否反応を示すだろうと、伝統文化や因習の残る東北の田舎町に期待するなと警告を機関紙に書いていたが杞憂だった。演奏はバッハの有名な「神はわが櫓」と唱歌「ふるさと」の会場全体の熱い合唱で融合し胸を打った。
東京にとんぼ帰りの大型バスの楽員支援者一行を名残惜しく最後までお見送りした。被災地南相馬の「おもてなし」だった。
中央と地方が、災害を乗り越えバッハで結びついたコラボレーション。会場がひとつになって融合した復興への願いと誓い。すべてを備えて下さった神に感謝した。
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