20140326 矢内原忠雄全集13 エレミヤ書研究
当時北方にありてアッスリアの威力は既に衰へて昔日の脅威はなかったが、更にその北方黒海沿岸に蟠踞せるスクテヤ人なる蛮族が紀元前630年頃から南下運動を起し、アッスリアの衰微も之が侵略に基くところ少くなかったのである。スクテア人は騎馬隊であって、その行動は敏速に、略奪は残忍を極めた(6の23)。アッスリア人も騎馬であり、敏速且つ暴虐であったが、スクテア人はそれ以上に破壊的暴行的たる蛮族であった。かかる恐るべき蛮民の襲来近きにあり、「われ北より災と大なる敗壊を来たらす」(4の6、6の22等)。之が預言者としてエレミヤの述ぶべく与へられし第一の言であった。
名調子が、いいんです。講談調で。
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