昭和22年10月7日 原町教会青年会の親睦会

昭和22年10月7日 原町教会青年会の親睦会

記録帖より 1 

洗礼を受けられたHHGの方達の会合のモヨウを御知らせいたします。記録者は ヤスシさん

記録係 を指名された時は全くガクゼン? としたのです。

矢張りオトコの子ですからいさぎよく引き受けました。

でも何処から書いて好いのかわかりません。そこで私のインク壜の中に住んでゐる漫画子(マンガシ)に「記録係をカワリにやって呉れないか?」とたのんだら「ヨロシイ!」と心よく引き受けて呉れたので私が書くようなふりをして、一切を漫画子にたのんで私は専ら御馳走攻略の方に専念致すことが出来ました。以下漫画子の記録です。(脚色したところがあるかもしれませんが何分に漫画子の事故ゴカンベン願ひます。

1、勉学に励む人と働く人が多い故の中々集まらなかった、かどうやら七時十分頃にはKちゃんを除いて集ることが出来ました。そこで先づS先生の導きで聖歌186と51を合唱つづいて御祈が終り、会が開かれたのは七時廿分頃でした。

2 先生の御挨拶

 一年の闘の実がむすばれて此処に選ばれた人々と一緒に労をねぎらひつつ、此の意義ある会がもたれました事を感謝致します。今、伝道の第一年第一期が終り、第二期に移らうとして居ります。神様に選ばれた十五人の(多士済々)皆さんと共に今后共決意を新たにして神様の聖光をあまねく広め、不孝な人々を救ひたいと思ひます。いかなる苦難あるともイエス様を信じ、十字架を負ひ、祈り、感謝したたたかひたいと思ひます。今后も眼を大きく開き、伝道もこの原町だけでなくこの地方全般に宣教の心がまへをもちたいと思ひます。打って一丸となり献身努力いたさうではありませんか。此処でシト行伝二章三十七ー四七の聖言をひいて私達を祝福して下さいました。

3 続いてIちゃんのお祈り 聖歌186を合唱

4 終ったところへケンランたる御馳走が並べられました。どこから手をつけて好いかみんな迷った程です。おサツが出たとき女の方々が迷はずニンマリと決心の微笑をなさいました(虚偽のほどはうけ合いかねます)

5 Kちゃんやうやく来る(これで顔ぶれが 全部そろひました)

そこでS子先生のおいのり親睦会に移ります。

6、Sさんからアイサツがありました。「今日の主催者は一体誰なんでせう。これは皆さん一人一人が主催者であり、お客さんでありますが、神様のおみちびきでもたれました会ですから、主催者は神様でせう」と云はれました。亦終戦後の色々な教会の歴史? と困難の中にいかにたたかって来たかを話され今晩も皆さんと一緒に先生を中心に協力前進いたしませう」と結ばれました。

7、蓄音機がこわれてゐてきけませんでしたので、先ずもういっぺんSさんから  。「私はいつも年令を多くみられて此の間も二八歳位か? と言はれました云々」(私も二八才位にみました) 聖歌「救ひのめぐみ」を美しいメロデイでうたはれました。

8、次のTさん。左マワリですからと、エンギをかつがうとしたのですが、あちこちからナントカカンとか・・・・・ついにおとなりのUさんへ。Uさんは専らおつとめの御仕事のおはなしをさっくりした気持のよい態度でしてくださいました。

9、Tさん観念したのか、自己紹介をやってハーモニカ「昔主エスの」と「旅愁」です。

10、先生に指名されてK子さん眼をクリックリッとやると「私のはじめて来たのは今月の・・・・」どこからか「今夜!」と入る、一同爆笑! 救はれたる当時の事をケンキョに話されました。280番「神は我が力」を歌ひました。

11、次にKちゃん「私は人に女性的だとも云はれ又図太いところがあるとも云はれます」と話を進めて悠然と賛美歌361「父のみかみよ」をハーモニカと一緒に歌ひました。それから「イイデスカ?」とことわって黒田節ならで「凱歌」と謂ふ奴を堂々とギンじました。(これで女性的だなどと謂うから図太い奴といはれる人だと思ひますが如何?)

12、さんびか「ささやかなるしづくすら」を一つ。

13、S・Iちゃん 奇襲指名される。だが莞爾と笑ってお話をする(ストーブが赤々と燃えてゐた。ボクは時々やけどをしたりし乍ら・・・・街灯のことろに雪が・・・・)と教会に来た頃の思ひ出ばかし、そして「沖へ出でよ」を歌ひました。

14、Hさん冒頭にエート、ウーン(ちょっとうは向いてうす目をして、かわいい声で)とやったので笑い声振ふ。やがて御家族の満州からのお話をしましたのでシンミリといたします・・・・(教会へはじめて来た時、下ばかり向いてたのですが、黒いツメエリの人と頭の毛をバサッとした人と・・・・みなしきりにNちゃん見て笑ふ・・・・ゐた事をおぼへています)「一人のみこを」をうたふ。

15、R子さん もう二年位早く生まれればよかったと思ひます。(一番小さい十六歳ですので)・・・・では最後に賛美歌を一つ(どこを歌ふのかなと思ってると)歌ひたいと思ひますが、お医者さんがうたってはけな(喉をためてるので)と云ったので・・・・爆笑。

16、(お次T子ちゃん、アラ、こんどは男の人よ、さうさう)Iちゃん安心してお茶を とやったところを「ではIちゃん」とすかさず指名されました。(モグモグ)

・・・はじめ・・・・その・・・・歌ふの、異様に感じましたが・・・先生は兄さんんお様な気がします・・・(Kちゃんなにやらメイ想にふける)で、さんびか「まぼろしの」を歌ひました。これはたしかR子さんのお母さんの好きな歌だった筈。

17、Tちゃん 満面こぼれるよな笑みをたたへて小さい声で話された。「・・・・あんまりテイネイにすわってふすまをあけたりするのを    テーブルにこしかけて・・・すましてる。その人を笑わせて、ふつうになるように、してやりたくなるんです・・・・やっぱり一人っ子だから、わがまま?・・・なのかもしれません・・・・」と話された時、いみじくも? Kおじさんさも感じ入った様に感嘆したので、爆笑又爆笑! 

18、次私の兄貴 信仰に入った経路 話の佳境に入ってもう教会に行く頃だなと思ってると又終戦の方に戻ってしまふので一向進捗しない。もっとmじょ人生わずか五十年と年寄りじみた事を云っていたのだから話は五ヵ年計画らしい。

19、Mさん 話をしてゐるのかなと思ったら、やっぱり話をしてをられた(本当に静かな人です)ひたすら神さまに感謝して居られた。

20、Nさんハーモニカはわたしの十八番ではありません。十六番です。わたしはハーモニカはおろかアコーデオンも・・・・(?)ヴァイオリンなどはもっとも得意とする所であります__(オヤオヤ?)と言ひたい所ですが・・・・(コレデ二度目ダ!)誰か呼ぶ(かくして一同亦たのしくかつがれました)「どうもへんだと思った」とは弟SIちゃんのコトバ {わずらひ多き}「主よわが主よ」をハーモニカで。

21、シンガリはS子先生 作詞作曲自作の「お姫さまと王子さま」をうたひました。「なんだかチイチイパッパの昔に帰へった様です。Sさんの希望によって日記の公開、皆さん大いに感心してきいて居りました。

 最后に賛美歌をうたひました。岡田先生のお祈りで愉快な会が終りました。  (鹿又 康 記)

 

解題 

 2先生の御挨拶 

一年の闘の実がむすばれて・・・・岡田牧師夫妻の赴任と伝道かた一年間、原町の教会に通い始めた若者たちに聖書と福音を教え伝えてきたことが、「洗礼」を通して同信の信者として集まった初めての会であること。

 5 Kちゃん 杉山金一 S子先生 岡田汐子牧師夫人

 6 Sさん 鈴木知子姉妹か

 8 Uさん 渡辺雄幸 のちの布川。当時は宮城県農業技手。

 14 Hさん 平井すみ子姉妹

 15 R子 安川令子姉妹

 16 Iちゃん 折笠勇

 17 Tさん 武山昭夫か

 18 私の兄貴 鹿又仁 

 19 Mさん 諸井さんか

 20 Nは、折笠宣彦

 

 

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