昭和22年8月30日原町教会青年会例会
8月30日 記録HHG例会 発表 ただ一つの願ひ
まほう使ひのおばあさんが「何でも一つだけ叶へてやる」と云ったら、貴方は何と答へますか」
司会者 岡田 汐子先生 出席者 男十三人 女二十八名 米田豊先生 岡田静夫先生 鈴木知子記
庭の面は まだ乾かぬに夕立の 空さりげなく澄める月かな
近頃にない月も裂けんばかりの雷鳴が屋根も打ち抜かれると思はれた篠突く豪雨もケロリとやんで空には洗ひ出されたやうな澄んだ月。教会の窓は明けはなたれ サッと流風が流れ込む
「いつくしきふかき友なるエスは」
若き兄弟姉は次々幾何学的に並べられた座席に吸い込まれて賛美に和す四部合唱がきれいにそろひ祈りの内に待ち望んだHHG例会をはじめる
1 聖書朗読 エペソ書第五章(おいのり 野崎静雄 鈴木知子 静夫先生)
2 聖歌233 歌ひつつ歩まん 賛美歌34 しづけき夕べ
3 HHG会計報告 野崎静雄さん
4 自己紹介
ユーモアな金ちゃんや宣彦ちゃんの自己紹介と女学生の妹達爆笑。
「もう若い皆さんから見ると私はすっかり苔が生えてしまいました」と信者の平野さんの を最後にいよいよ本筋に進む
5 高篠信子(しんこ)さんの落ち着いたご挨拶に一同シンとして期待に胸を膨ませる
×信子ちゃんへ告ぐ
シンゾウが弱いなんてウソですね。
堂々たるものぢゃないですか。キロク者挨拶を以って席に戻る信子ちゃんに方目をつむってチョットニラム
6「私の唯一つのねがひ」についての発表
前奏曲としてHHG歌」が元気に歌はれる
A 折笠 勇さん
健康、智識、金銭、名声、否否、唯、私の内に聖霊を満たして下さい。そして凡ての人に、愛とよろこびの実を結ばせる聖霊、山をも動かす聖霊・・・・
「まして、求むるものに聖霊をあたえざらんや」
※ 聞く者をアキさせることなく話の本筋にグングン引き入れる文学的技巧のタクミな文章 やっぱりHHG歌作曲者だけある。」
B 小野田和子さん
外部的幸福のみ求めて主の来る時、なげき切歯しなければならないと云ふ事は愚の骨頂と云ふべきでございませう。完全なるクリスチャンを望みつつも常に 知らずの弱い自己を悲しく思ほます。私の唯一つの願ひ それは神様を愛し ひたすらにこれに仕へまつることです
※ 白いスーツがよく似合った背の高い和子さん時々首をかしげつつ、おしとやかに語られました。
ここは女学生六人の合唱が入り、論題の発表はちょっと一休み。賛美歌147「わが罪をおひ」のことろ、どうも危い。二番三番は「しっかりね」とキロク者は、ひらにエス様にたのむ。
C 女学生の平井スミ子さん
女学生とは思へない内省的なスミ子さんの唯一のねがひは、正しき歩みをなすために必要な「勇気」なそうです。
※「意気地ナシ」性格の弱さからなるこの種の卑怯さ、私もこの事に常にたたかひを感じるものです。自己の正義と信ずる事を決行しえず。また相手に対する同情から相手をして不正なる立場より、離れゆく正しさに登らしむる勇気なき事、相手に負はすべきものを負はしめるに堪えざる事、す 性格の弱さからくる意気地なしです。私も凡ての事に勇気が欲しい。
D 折笠昭四郎
凡てを神様の心にまかせ信仰に深く したいねがいです。
※ 次に独唱される。賛美歌112「 のなかに」
勇ちゃんのイトコだけあり勇ちゃん ぬ ハズ
E 折笠宣彦さん 常に祈りつつ、主に従ふ事によろこびを 生涯 それが私の唯一の願ひです。
ニコニコして「 下手ですから」と前置きして宣ちゃん十八番 ハーモニカの独奏「エス我を救へり」「主よ我が主よ」
記録者の鈴木知子は、仙台から父の機関区転勤で原町に転居し、織笠宣彦と教会で知り合って、のち阿部家の養女に入って宣彦と結婚。全国で珍しい日本基督教団のなかにとどまったホーリでネス派の青葉荘教会の会員として平成9年まで天寿をまっとうした。平成3年、仙台市の阿部宣彦を取材。戦後の原町教会の様子をインタビューで聞いた。