負けは負け 落ちて良かったか? 2年たって市民がわかってよかったね
わずか201票で市長改選で敗れた桜井勝延氏は、いまだに惜しまれているが、あたりまえだ。新市長になってから、門馬氏とはどんな人物だったか、やっと市民にはわかってきたからだ。たまに市長を変えてみれば、よくわかる。けっきょく、桜井氏のほうが決断力にすぐれ、実行力もあったなあ、と今頃になってようやくわかったからだ。もう新市長になって二年もたっているのに、門馬氏は何をやったか、市民はわかったか。わかったことはある。自民党の、国の方針をそのまま鵜呑みにして、自分の考えを持たずに、ただ何もしないで流されるだけの人物であることが、はっきり市民の前にわかったからだ。
さて、二年前の市長選挙になる前まで、ぼくの従兄で有名な書道家と逢った時に、初老の男どおしだから選挙の話題になった。色々語り合った結果、彼の思い込みが津語のようなものであることが分かった。
❶桜井は、いつもえばっている。
➋桜井は勝手に自分の考えを独走させて、勝手にすべてを決めてしまう。
➌桜井は、生意気だ。
❹桜井が3.11の起った直後に猛烈に被災市民のために死にものぐるいで役場に泊まり込んで、ほとんど独裁的な独断ですべてを決め、かつ全職員に轟然と命令を下し、次から次へと問題を処理させたのは、人間扱いさせない無慈悲な奴だった。ために、多くの職員がその職を辞めたほどだった。
❺桜井はたいして能力がない男だし、性格も普通の男だと思うが、問題なのは取り巻きに変なのや異常なのがいっぱいいて、よくあんな支持者に囲まれているもんだと思う。
だいたいこんな内容だった。
これを聞いて、彼がなぜ桜井を嫌うのかが分かって来た。
私の従兄は、実に芸術家にありがちな政治的判断を、自分の感情によってはんだんするタイプの人格なのだと思った。わが愛する肉親だから、嫌いではない。ぼくも文学の徒だから、芸術家の癖もよく知っている。
そこで、わかったのだ。従兄は感情が過多で、思い込みが激しいのだと。
いったい、❶は、いっぱしの男の大人が、えばって見えないようでは困るではないか。ぜんたい、これが従兄が桜井に直接会って感じた正直な感想なら、自分は温厚で常識的な人間だと思い込んでいるようだが、他人から見られたら、どんな風に見えるのかも、吟味したらいいだろう。
自分でいうような内容ではない。
➋と❹は、裏返せば市長の器にふさわしい人物だとほめているようなものではないか。➌は、➋❹に付随する滓か塵だ。
住民の人間のレベルの話であって、市長選挙の政策論争とは関係のない話だ。従兄よ。いい加減に大人になれ。
つまらない小市の市長選挙だの桜井の人物評だので、貴重な人生の残り時間を費やすべきではない。得意の分野で世界コンテストで優秀賞を受賞して、ベネチアで授賞式に招待された時に、イタリア語の表彰状を僕が翻訳したように、従兄弟よ。わが家を代表する芸術家なのは既に実証済みだ。弟子たちの作品を睥睨して、励ましてあげるのが、兄のシゴトだよ。